パチュリ(パチョリ)ってどんな香り?

パチュリ(パチョリ)ってそもそも何?
どんな植物?
- 東南アジア原産の植物でミント科(しそ科)のハーブ。
- インドネシアやフィリピン、インドなどの熱帯地域で栽培され、葉を収穫して乾燥させた後、水蒸気蒸留という方法で油(精油)を抽出します。
香りの特徴
- 湿った土や落ち葉、乾いた木片のような自然の香りと、ほんのりとしたチョコレートっぽい甘さが合わさった独特の香り。
- 強く嗅ぐと、「インク」「お線香」っぽいと感じる人もいます。
- 他の香りと混ぜると、全体を落ち着かせたり、長持ちさせる役割をしてくれます。
香水でのパチュリの役割
なぜ“ベースノート”に使われるの?
- パチュリに含まれる「パチュリアルコール」という成分が揮発しにくい=なかなか消えにくいので、香水の最後の部分をしっかり支えるベースノートになります。
- 他の香りを抱き込む“おふとん”みたいなイメージで、全体の持ちを良くしてくれる「フィキサティブ」としても大切な存在です。
どんな香水でよく使われる?

- フルーツ系をちょっとビターに仕上げるフレグランス
- 例:シャネル「ココ マドモアゼル」
- 桃やオレンジなどの甘さを、パチョリが少し苦みや大人っぽさでまとめています。
- 例:シャネル「ココ マドモアゼル」
- バニラやチョコなどの甘さを深みある香りにするフレグランス
- 例:YSL「ブラック オピウム」
- コーヒーやバニラの甘く濃厚な香りが特徴ですが、ベースにパチョリを使うことで重厚感と持ちの良さをプラス。
- 例:YSL「ブラック オピウム」
- ウッディやシプレ調(森林やモスのイメージ)
- 例:ディプティック「テンポ」
- 森の湿気のような雰囲気をグッと引き出しています。
- 例:ディプティック「テンポ」
初心者がパチョリを感じ取るコツ
- 試香紙(ムエット)でまず香りをチェック
- 香水売り場でもらえる紙に吹き付け、すぐ嗅ぐだけでなく、30分くらい経ってからもう一度嗅いでみてください。
- 時間が経つほど、パチュリ特有の“土っぽさ”や“甘さ”がじわっと出てきます。
- 実際に肌につけてみる
- 肌の体温と混ざると、香りが変化します。土っぽさが柔らかくなったり、甘みが増したり、人によっては少し苦みを感じることも。
- 「自分がつけるとどんな香りになるか」を試すのが大事です。
- いろいろな香水の“残り香”を意識する
- パチュリは香りの最後に顔を出すタイプなので、時間を置いてから「服や腕に残った香り」をかいでみてください。
- そうすると、「あ、この雰囲気、どこかで嗅いだ“パチュリの土の感じ”かも?」とわかるようになります。
「パチュリ苦手かも…」という人へのアドバイス
お線香っぽさや土っぽさが強いと感じるなら、“クリーン系”に再蒸留したパチョリを使っている香水を探してみるのがおすすめです。たとえば、香水の説明に「分子蒸留したパチョリ」や「Clearwood®」などと書かれている場合があります。
市販の香水は細かい製法をあまり書かないことも多いですが、店員さんに「土っぽさがやわらかいタイプ」などと伝えてみるとよいでしょう。
まとめ
- パチュリは「森の土」「木片」「ほんのりチョコのような甘さ」が合わさった香りと覚えておくとイメージしやすいです。
- 香水の“ベースノート”や“最後の残り香”に現れやすいので、 試香してから少し時間をおいて嗅いでみる のがおすすめ。
- 手に取りやすい有名香水(たとえば「ミス ディオール」「ブラック オピウム」「テンポ」など)で試してみると、「あ、これがパチョリの香りか!」と実感しやすいはずです。
パチュリは香りを大人っぽくしたり、独特の深みを加えたりと「香水の影の立役者」。是非、一度ゆっくり時間をかけて体験してみてください。