セルジュ・ルタンス

セルジュ・ルタンスは、写真家・映画作家としても知られるセルジュ氏が自らの名で立ち上げたフレグランスメゾンで、“感情”を核にした物語性のある香りづくりを志向します。主力は〈コレクション・ノワール〉のオードパルファンで、樹脂・スパイス・ドライウッドを厚く重ねながらも肌に溶け込む静かな投影を特徴とし、マラケシュの記憶や詩的な言葉遊びが各作の世界観を形づくります。 とりわけシダーやアンバー、蜂蜜、タバコ葉といった“温度を帯びた素材”の扱いに独自性があり、クラシックと前衛のあいだで濃密な余韻を描きます。

代表作と香調ハイライト

  • フェミニテ デュ ボワ
    熟したプラムとスパイスの火花を、乾いたシダーが包む“スパイシー・プラムウッド”。ブランドを象徴する木質フローラルです。
  • シェルギイ
    干し草とイモーテルの甘い温度に、タバコ葉とロシアンレザーが絡む“砂漠の熱風”。蜂蜜のまろみが長く残ります。
  • アンブルスュルタン
    ラブダナムを主役にバニラとパチョリが溶ける“樹脂系アンバーの金字塔”。モロッコの体験を出発点に生まれた物語性でも知られます。
  • ラ フィーユ ドゥ ベルラン
    トゲのあるローズにペッパーの鋭さを添えた“スパイシー・ローズ”。ヴィーガン処方の現代的解釈です。
  • サンタル マジュスキュル
    クリーミーなサンダルウッドにトルコ産ローズとカカオが寄り添う“ビター・フローラルウッド”。柔らかな包容感が持ち味です。