ロジェ・ガレ

ロジェ・ガレは 1862 年にパリで創業した老舗メゾンです。もともと王侯貴族に愛された伝統的オー・デ・コロンの爽快さを受け継ぎ、シトラスやハーブに果実・ウッドを重ねたデイリー ラグジュアリーを提案しています。アルコール度数は控えめながら香料濃度をコロンより高く設定し、朝のシャワー後から日中まで穏やかに香りが続く点が特徴です。

代表作と香調ハイライト

  • テ(紅茶の葉):カラブリア産レモンのすっきりしたトップに、セイロン紅茶の燻した渋みとカルダモンのスパイスが重なり、ラストをサンダルウッドとベチバーが温かく包む“スモーキー・シトラスティー”。
  • ジャンマリファリナ:レモンとベルガモットにローズマリーやプチグレンを合わせた“地中海シトラス・ハーバル”。最初のひと吹きで窓を全開にしたような清涼感が広がります。
  • フィグ:イチジクの果肉と葉の青さを、ムスクとセダーでまろやかに包んだ“陽だまりのイチジク”。6〜8時間続く柔らかな甘さが評判です。
  • オランジュ:マンダリンとビターオレンジで幕を開け、オレンジブロッサムとイランイランが花咲く木陰を描く“ウッディ・シトラス”。ラストにシダーが心地よい影を残します。
  • ネロリ:ネロリとオレンジブロッサムの澄んだ光に、イランイランとジャスミンが溶け、ピスタチオのほのかなクリーミーさで締めくくる“微笑むネロリ”。
  • ジンジャールージュ:ざくろの甘酸っぱさとジンジャーのスパイスを合わせた“ルビー色のスパークリング・フルーツ”。夏に映える軽快さで人気です。

ロジェ・ガレらしさと評価

いずれの香りもトップでシトラスや果実が弾けた後、ハーブやウッド、ムスクが柔らかく肌へ溶け込みます。拡散は穏やかですが4〜6時間ほど細く続き、「石けん後の素肌感を引き延ばす幸福な水」としてレビューでも好評です。個性を競うより“快適さと気分転換”を優先する設計のため、香水初心者やオフィスユースでも扱いやすい点が高く評価されています。強い主張を求める層からは「優等生すぎる」と評されることもありますが、朝のシャワータイムから午後のティーブレイクまで寄り添うデイリー・フレグランスとしての価値は揺るぎません。