ミラー ハリス

ラーハリスは、英国調香師リン・ハリスが2000年にロンドンで立ち上げたニッチメゾンで、自然素材へのこだわりと詩的な物語性をあわせ持つ“モダン・ボタニカル”な香り作りで知られます。創業者のバックグラウンドには、グラースとパリで学んだクラシック調香技術と、ロンドンの都会的感性が同居しており、「オーガニックと洗練の折衷」と評されています。

代表作と香調ハイライト

  • ティー トニック:ベルガモットとレモンの弾けるトップに、アールグレイやマテ茶の渋み、ナツメグの温かみが重なり、ラストをバーチタールとムスクがスモーキーに締めくくる“朝霧のティーカップ”。
  • ローズ サイレンス:ダマスクローズを主体に、わずかな塩気・石けんの清潔感・パウダリーな余韻で“静けさの中に咲く一輪のバラ”を描くミニマル・ローズ。
  • レール ドゥ リアン:ジェーン・バーキンとの協業で生まれた一作。ネロリの光にオークモスとパチョリが影を落とし、アンバーとムスク、バニラが肌に溶け込む“素肌と古書の間”のシプレ。
  • スケルツォ:マンダリンとダヴァナの甘い光を皮切りに、オリバナムやナルシス、ピトスポラムが艶やかな花影をつくり、パチョリ・バニラ・ウードが濃密な彩りを添える“飴色の万華鏡フローラル”。

ミラーハリスらしさと評価

いずれの作品もトップで果実やハーブの瑞々しさを提示し、中盤からウッディや樹脂(ラブダナム、バーチタールなど)のぬくもりへ滑らかに移ろう作品を得意とします。投影は肌に近く、香りの持続は5〜7時間ほどで「日常に詩を差し込むような余白」を感じさせる仕立てです。植物由来原料を高配合しつつヴィーガン対応・サステナブル包装を徹底する姿勢も欧米で高評価を得ており、「クラフトとラグジュアリーを調和させたロンドン流ボタニカルパフューム」と称されています。

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