ジャドール
1999年に調香師カリス・ベッカーが手掛けた「ジャドール」は、ギリシャのアンフォラを模したボトルに“黄金の花束”を閉じ込めたアイコニックなフレグランスです。 核となる香調はイランイラン、ダマスクローズ、ジャスミンが織り成すホワイトフローラルに、わずかなフルーティさと蜜のような艶を重ねた“ソーラー・フローラル”で、明るさと官能性を同時に表現します。 その後の派生作は、このDNAを軸に濃度や素材を変え、日常から特別な晩まで幅広く対応するラインへと進化しました。
主なバリエーションの香りの特徴
- ジャドール オードゥ パルファン:シリーズの基点で、イランイランとローズの豊かな花束にサンバックジャスミンを重ねた“太陽を浴びた花”のような華やかさが持続します。
- ジャドール オードゥ トワレ(2011):マグノリア、ネロリ、ブラッドオレンジを加え、風通しの良いシトラスフローラルとして軽やかな朝の庭園を思わせます。
- ジャドール パルファン ドー(2022):アルコールを用いず花と水だけで仕上げたミルキーホワイトの処方で、ネロリとジャスミンのヴェールが肌に溶け込む“保湿ミストのようなフレッシュフローラル”として話題になりました。
- ジャドール ロー(2023):フランシス・クルジャンが“ゴールドを温める”発想で再構築し、オレンジブロッサムとジャスミンを蜂蜜とシトラスでとろりと包んだクリーミーで陽だまりのような新解釈です
まとめ
「ジャドール」シリーズは、輝くホワイトフローラルの核を守りつつ、シトラスの風、塩気、蜂蜜、あるいはアルコールフリーの水分子といった新要素を重ねて“光を浴びた花”の表情を多面的に展開してきました。これにより、清潔感のあるデイリー使いから濃密で官能的なイブニングシーンまで、一貫してエレガンスを保ちながら香りの幅を広げ続けているのです。