イソップ
Aesop(イソップ)は、1987年にオーストラリア・メルボルンで創業したスキンケアブランドです。
イソップの香水は「静かなる野生」を共通DNAとし、ハーバルグリーン、スモーキーウッド、ミネラルアンバーを重ねながら甘さを抑えたユニセックス設計で知られます。トップは精油の鮮烈な揮発で個性を示しつつ、ラストは樹脂やムスクが穏やかに肌へ溶け込み、控えめな投影ながら長い余韻を残す点が欧米レビューで高く評価されています。
代表作と香調ハイライト
- タシット:バジル グランヴェールとユズが弾ける現代的シトラス・アロマティックで、ドライハーブの苦味が清々しさを引き締めます。
- ヒュイル:ヒノキのスモークとフランキンセンスが深い森と寺院の空気を呼び込み、湿った苔とタールの陰影が漂うウッディ・インセンスです。
- マラケシュ インテンス:カルダモンとクローブの熱気にサンダルウッドが溶け、ローズとネロリがスークの夜を思わせるスパイシー・ウッディです。
- ロズ:朝露を帯びたローズにシソやピンクペッパーが青みと辛味を添え、ヒノキの静けさで包むグリーン・ローズです。
- ミラセッティ:ブラックペッパーとラブダナムを海藻様アンバーで括り、樹脂と潮風が交差する“樹脂×塩気”のアンバー・ウッディです。
- カースト:ジュニパーとローズマリーのハーブに湿った石灰岩のミネラル感を重ね、波の飛沫を思わせるクール・マリンです。
- イーディシス:ブラックペッパーとプチグレンが水面に揺らぎ、フランキンセンスとサンダルウッドが乾いた琥珀色の影を落とすウォータリー・アンバーです。
- オラノン:ラベンダーとエレミを序章に、干し草・フランキンセンス・ミルラがゆらめくスパイシー・アンバーで、“終わりと始まり”の静謐を描きます。
共通する香り設計と評価
これらの作品はトップで鮮烈な精油の個性を提示しながら、ベースに樹脂系レジンやウッディムスクを厚く敷き、肌の温度で徐々に柔らかく変化する設計です。投影は穏やかでも持続は長く、「ミニマリズムの中に複雑なレイヤーが潜む」として「記憶に残る静かな官能美」と高く評価される一方、そのハーバルな苦味やスモーキーさが好みを分けるとも評されています。