フエギア 1833ショコアトゥル

原材料を知らないまま香水を選んでいませんか?原材料についてはInstagram(@semiperfumer)などでわかりやすく解説しています
どんな香り?(口コミ含む総合評価)
ショコアトゥルは、バニラの花の柔らかな粉感とカカオのドライな苦味、樽を思わせるラムの艶を一本の線で結んだ“大人のグルマン”です。

立ち上がりはラムの揮発と温かいスパイスの陰影が弾け、熟果や発酵を想起させる軽い酸味が一瞬きらめきます。すぐにバニラが艶と丸みを与え、カカオは砂糖よりココアニブ寄りの乾いた表情で甘さを締める構図。中盤は花の要素が質感を滑らかに整える程度に留まり、終盤はバルサミックな甘さと穏やかなウッディの支えへ。全体は“軽やかさと重さが同居する”甘苦のレイヤーで、ショコラ・リキュールのように官能的ながら、べたつかないのが美点です。
持続は中程度〜やや長め、拡散は序盤やや存在感→のち穏やかが目安(肌質・バッチで振れ幅あり)。甘党にも非グルマン派にも届く、気品あるカカオ&バニラの解釈です。
香りの構成
- トップノート
- バニラ, バニラオーキッド:ラムの揮発と重なり、蜂蜜がかった花粉感と柔らかな白粉のタッチ。ごく短く、熟したプラムやパイナップル様の酸味・薬酒のニュアンスをのぞかせます。
- ミドルノート
- カカオポッド:甘さ控えめのココアパウダーの苦味とわずかな土気。肌によってはトロピカルな酸味が立ち、バニラの艶で丸みが増します。
- ラストノート
- ラム, ペルーバルサム, サンダルウッド, パチョリ:バルサミックな温もりと乳脂感のある木質が核。甘さはトンカ風の粉感に寄りすぎず、ラムの大人びた艶で締め、長い余韻に落ち着きます。
ショコアトゥルと似てる香水
- アトリエ マテリ「カカオ ポルスレナ」ローストした“ココアニブ”の粉感がトップから立ち、ラム様の発酵ニュアンスとトンカ/バニラが丸みを与え、ウッディ&ムスクでドライに収束=砂糖寄りに振れない“ビターカカオ×ラム×ウッド”という大人グルマンの質感が共通
- キリアン パリ「ブラック ファントム メメント モリ」ダークラムと砂糖きびがリキュールの艶を立ち上げ、すぐにビターなココアとコーヒーの苦味が切り込み、バニラとアーモンドの丸みを抱えたままドライウッドへ=“リキュールの艶×ビターカカオ×ウッディ”の官能が近い
- ルイ・ヴィトン「アトラップ・レーヴ」ベルガモットの微光から透明なフローラルへ移る途中に“カカオパウダー”の乾いた陰影がふっと差し込み、パチョリとムスクで軽やかにフェード=“軽いカカオの苦味×クリーンな残り香”という甘苦のレイヤーが呼応
- トム フォード「ブラック オーキッド」ブラックトリュフが濃厚に点火→ミドルで“メキシコ産チョコレート”とパチョリがドライなビターを作り、終盤はバニラ/アンバーで艶やかに沈む=“カカオ×バニラ×ダークウッド”の後半のまとまりがショコアトゥルの余韻と重なる
おすすめの季節と時間帯
春 夏 秋 冬
日中 夜
男性向け、女性向け
男性 女性
ラムとドライカカオの苦味・樽香がわずかにマスキュリンに傾けつつ、バニラオーキッドの粉感が柔らかさを補う構図。実際の装いではスーツ〜ニットまで振れ幅広く、ユニセックスとして成立します。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- アンバー系・・・ソフトアンバー
- ウッディ系・・・ウッド
核はラム+ペルーバルサムにバニラが融けた甘樹脂の温グロー(ソフトアンバー)。砂糖的な重さではなく、バルサミックで気流の良い甘さが続きます。ベースのサンダルウッド/パチョリが甘さを支え、乾いたカカオの苦味とバランス(ウッド)。フローラルは質感を整える助演に留まるため選定外とし、香りの骨格のみを明示しました。
補足分類(18の属性からの分類)
- アンバリー
- ウッディ
- グルマン
- スパイシー
- パウダリー
- フローラル
バニラ×ラム×バルサムが温かい甘さを作る(グルマン/アンバリー)。サンダルウッド/パチョリがドライに輪郭付け(ウッディ)。立ち上がりのラム由来の温スパイスが推進力(スパイシー)。バニラ蘭が柔らかな粉感と艶を与え(パウダリー)、花は質感の整え役(フローラル)。
持続時間
オードパルファム
- 香料の濃度・・・約8~15%
- 持続時間・・・約5~6時間
ショコアトゥルの香りが似合うイメージ・人物

銅鍋の泡を見極める“ナイト・ショコラティエ”
- 30代前半の女性。テンパリングは艶と“パキッ”という割れ音で判断します。
- 仕事終わりに一欠片だけテイスティング、記録は三行で簡潔。
- 白衣の袖口に微量の可可粉、言葉は少なく所作は一定。
オーク樽を焼き直す“小さな蒸留所のクーパー”
- 30代後半の男性。内面のチャーで香りの行き先を決めます。
- 服はワークシャツ、指先にはいつも木粉の気配。
- 休憩は黒パンとラムを指先ほどだけ。
深夜の活版工房で版を組む“タイポグラファー”
- 30代前半の男性。インクの粘度を掌で測り、活字を一定のリズムで拾います。
- 黒エプロンに白シャツ、合図は頷きだけ。
- 校了前に窓を少し開け、冷気で集中を整えます。
白磁の釉を薄く掛ける“陶房の主”
- 40代前半の女性。素地の水分と釉の濃度を秒で管理します。
- 工房は低照度、音は轆轤と筆洗いだけ。
- 焼成後は窓を開け、夜気で熱を落とします。
小箱のカウンターで曲を閉じる“ラウンジ・ピアニスト”
- 30代後半の女性。指先は軽く、ペダルは深く踏みすぎません。
- 休憩はラムの香りだけ嗅いで、水を一口。
- 終演後に黒のストールで肩を包み、外気をひと呼吸。
バルサミックな甘苦+ラムの温度感で秋冬〜春先が最適。暑熱下は酸味や甘さが膨らみやすいので夏は夜が似合います。序盤の存在感を活かすなら2〜3プッシュ程度が目安です。