イソップヒュイル

原材料を知らないまま香水を選んでいませんか?原材料についてはInstagram(@semiperfumer)などでわかりやすく解説しています
どんな香り?(口コミ含む総合評価)
「ヒュイル」は、檜(ヒノキ)やサイプレスの乾いた木肌に、フランキンセンスの薄い煙とハーブの冷たさを重ねたウッディ・アロマティックです。

立ち上がりはタイムとエレミ、ピンクペッパーがつくる澄んだ樹脂感で、「新築の木」「檜風呂」「木工の削り屑」を思わせるほど写実的に香ります。中盤はサイプレスが主役となり、スウェード調の柔らかさとゼラニウムのグリーンが輪郭を整えます。乾いて始まり、終盤はベチバーとシダーに乳香が溶け込んだ静かなスモークへ。
香調変化は大きくはないものの、乾いた森から苔庭へ温度が少しずつ落ちるように移ろいます。拡散は控えめ〜中で、パーソナルスペースに品よく留まる設計です。寝香水や瞑想用として心地よいという声が多く、ユニセックスながらメンズ寄りの印象も一定数あります。最良の季節は秋冬〜冷えた朝。雨上がりの日や静かな夜にもよくなじみます。
香りの構成
- トップノート
- タイム, エレミ, ピンクペッパー:ドライハーブと澄んだ樹脂が立ち上がり、軽いスモークと辛口の清涼感が弾けます。体感によってはカンファー(樟脳)/メディシナル(消毒液・ラテックスを連想する)ニュアンスを短時間感じることがあります。
- ミドルノート
- サイプレス, スウェード, ゼラニウム:サイプレスが「檜の柱・削り立ての木」のフォトリアルな質感を描き、スウェードのソフトな陰影が硬さを和らげます。ゼラニウムのグリーンが呼吸し、寺院のお香やドライサウナの空気を思わせる穏やかな煙気が続きます。
- ラストノート
- ベチバー, フランキンセンス, シダー:土を掘り起こしたようなベチバーの渋みと、乳香の静謐な樹脂感が重なり、シダーの鉛筆削りのようなドライウッドにとけ込みます。落ち着きのあるアンバータッチを薄く残しながら、肌にさらりと同化します。
ヒュイルと似てる香水
- コム デ ギャルソン×モノクル「ヒノキ」 冒頭のドライなヒノキ/サイプレスの木肌〜明るい樹脂感で透明に抜け、ラストはセダーとベチバーが乾いた土気と薄い燻しの錯覚を残す=ヒュイルの「森の木肌×清澄な空気×ベチバー起因のスモーキー感」と骨格が近い
- コム デ ギャルソン「インセンス キョウト」 サイプレスとドライベチバーの静かな立ち上がりから、抑制の効いたインセンスの空気感で澄ませ、木部+ベチバーが薄い燻しの錯覚を残す=“寺院の木と空気”という設計がヒュイルに近い
- ディプティック「タム ダオ」 サンダルウッド×サイプレスの乾いた木肌が主役で、甘さを抑えたセダーのドライウッドへフラットに落ちる=煙を足さず“木部の乾き”で近づく前半の運びがHwylと合致
- シャネル「シコモア(レ ゼクスクルジフ)」 シャープなベチバーのトップから乾いたウッドへ、焦げ葉のような薄い燻し(ベチバー由来)が長く残る=ヒュイルの“ベチバーが担うスモーキーさ”とドライダウンの方向が一致
- ラルチザン パフューム「タンブクトゥ」 パピルス/軽やかなインセンスで風通しを作り、ベチバーとドライウッドに降りると薄い燻しの錯覚が残る=“森×インセンスの空気感×ベチバーのドライ”という骨格でヒュイルと重なる
- J‑Scent「沈香(Agarwood)(プチプラ)」透明な甘み→杉/ベチバーのドライな木質→静かに落ちる構成で、“寺院の線香”を思わせる上品なインセンス調=ヒュイルの「杉葉のスモーク×インセンス×ドライウッディ」の後半の佇まいが重なる
おすすめの季節と時間帯
春 夏 秋 冬
日中 夜
男性向け、女性向け
男性 女性
辛口の樹脂、スモーク、乾いたウッドがつくる輪郭がややメンズ寄りの印象を与えます。一方で、ミニマルでクリーンな余韻は中性的で、女性が纏うと凛とした透明感が引き立ちます。TPOを選べば誰にでも似合う設計です。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- フレッシュ系・・・アロマティック
- ウッディ系・・・ウッド、モッシーウッド
中心はサイプレス/シダー/ベチバーが作る乾いた木肌(ウッド)。そこへ苔庭のイメージや乳香の陰影が重なり、しっとりした土気を帯びます(モッシーウッド)。トップのタイムやエレミ、ピンクペッパーが清涼と辛味で骨格を立ち上げるため(アロマティック)を補助軸に採用しました。シトラスやフローラルは脇役に留まります。
補足分類(18の属性からの分類)
- アロマティック
- アンバリー
- ウッディ
- グリーン
- スパイシー
- フレッシュネス
サイプレスとシダーが主旋律の乾いた木質(ウッディ)に、タイムとピンクペッパーが辛口の立ち上がり(アロマティック/スパイシー)。ベチバーと苔様の湿度が土の気配を加え(アーシー/グリーン)、乳香が静かな温度と光沢を添えます(アンバリー)。全体は空気感のあるミストのような軽さで閉じ、清潔にまとまります(フレッシュネス)。
持続時間
オードパルファム
- 香料の濃度・・・約8~15%
- 持続時間・・・約5~6時間
ヒュイルの香りが似合うイメージ・人物

檜の梁を読む“山の建築家”
- 30代後半の男性。現場では木口と含水率を確かめ、図面は直線で引きます。
- 黒のワークジャケットに無地のシャツ、言葉は必要最小限。
- 打合せ前に森を一周して、鼻で空気の乾きを測るのが癖。
露天の湯を整える“山里の湯守”
- 30代前半の女性。開場前に湯温と湯面の反射を確認し、檜蓋の水滴を拭います。
- 仕事着は生成りと墨、声は低く穏やか。
- 閉場後は灯りを落として外気の匂いを一息だけ吸い込む。
朝の禅庭を掃く“寺庭の庭師”
- 40代前半の男性。箒目で砂紋を引き、苔の湿りを掌で読む。
- 作業は無言、道具の手入れは終業後に必ず行う。
- 雨上がりの日は五分だけ立ち止まり、空気の温度を記憶する。
革表紙を綴じ直す“ブック・コンセルヴァター”
- 30代後半の女性。紙繊維の向きを指先で読み、のりの水分を秒で計る。
- 机は白木、鉛筆はいつも削りたて、語りは三行で足りる。
- 仕上げに革の背を布で磨き、窓を少しだけ開ける。
山道の気配を録る“フィールド・レコーディスト”
- 30代前半の男性。夜明けに機材を担ぎ、針葉樹の尾根で風を待つ。
- 服は機能一点、移動は静か、メモはタイムコードのみ。
- 収録後は沢で手を冷やし、匂いの層を鼻に刻む。
ドライな木質と乳香の静けさは秋冬〜冷えた朝に最良。春の澄んだ空気にもよく馴染みます。真夏日中はスモーキーさと樹脂の辛味が重く感じられる場合があるため控えめが安全ですが、夜間は落ち着きと清涼の両立が心地よく、寝香水・瞑想用として高評価が目立ちます。