ラッシュバニラリー

バニラリー
ブランド ラッシュ(LUSH)
分類ソフトアンバーフローラル
季節
発売年月日 2009
調香師 サイモン・コンスタンティン
原産国 イギリス
詳細 公式サイト
原材料を知らないまま香水を選んでいませんか?原材料についてはInstagram(@semiperfumer)などでわかりやすく解説しています

どんな香り?(口コミ含む総合評価)

バニラアブソリュートを中心にトンカのクリーミーな甘さと、ジャスミンの生花感を重ねた“バニラ×ホワイトフローラル”。立ち上がりはジャスミンのインドールが肌で強く出やすく、爽やかな花蜜〜時に“バター/蜜/わずかなラバー”に振れる個体差がありますが、数分で丸みを帯び、焦がし砂糖や蜂蜜、時に「ココナッツ様」に感じる濃厚なバニラへ移ろいます。ドライダウンはトンカ由来のパウダリーで柔らかなアンバータッチが肌に溶け、「粉糖ののったカスタード」「バニラバター」のような余韻になります。

バニラリーの香りのイメージ

シュガリー一辺倒ではなく「甘いのに大人」という評価が多く、レイヤリング適性(パチョリ/ココナッツ、LUSH「アメリカン・クリーム」など)も高いです。拡散・持続は中〜強めですが、液体と固形、さらにバッチ差で印象が変わるという声もあり、テスト推奨です。

香りの構成

  • トップノート
    • ジャスミン:生花の湿度とわずかな“アニマリック”が立ちます。肌によってはビール様/尿様/プレイドー/バター・ポップコーンに転ぶことがあり、ここが好き嫌いの分岐です。
  • ミドルノート
    • バニラアブソリュート:シュガリーに傾きすぎない濃密な“抽出物”の甘さ。焦がし砂糖、蜂蜜、キャラメル、わずかにスモーキーな陰影や“ココナッツ様”の錯覚が出ることがあります。
  • ラストノート
    • トンカビーン:クマリンのパウダリーなアンバリーが肌に密着。ミルキー〜バターの厚みで包み、穏やかなムスキーな“肌感”に落ち着きます。固形はよりバターリッチ、液体はややフローラルが立つ傾向です。

バニラリーと似てる香水

  • セルジュ ルタンス「アン ボワ バニール」ココナッツのミルキーさで幕開け→バニラをベンゾイン/サンダルウッドで濃密に包み→ほのかなスモーキー樹脂感を残して肌に密着=バニラリーの“トンカ入りクリーミー・バニラ”がもつ甘香ばしい温度感と残り香が近い(ジャスミンは控えめ)
  • ディプティック「オー デュエル」カルダモン/ピンクペッパーの清涼スパイスで始まり→バニラをベンゾインと紅茶様ニュアンスでドライに束ね→クリーンなムスキーウッドへ=バニラリーの“甘香ばしいバニラ×樹脂の温もり”という骨格に寄り、甘さはやや控えめ
  • メゾン クリスチャン ディオール「バニラ ディオラマ」オレンジと微かなラムの明るいトップ→カカオとトンカを抱いた芳醇バニラのハート→アンバーウッディで長く残る=バニラリーの“トンカで丸めたグルマン・バニラ”をリッチに拡張した印象で、包み込む残香が近い
  • プラダ「キャンディ EDP」ホワイトムスクの柔らかいベースにベンゾイン×キャラメルがとろり→ミルキーなバニラが膨らみ→ソフトウッディに穏やかにドライダウン=バニラリーの“トフィー感のあるバニラ”という質感と肌残りの方向が近い

おすすめの季節と時間帯

日中

秋冬〜春の空気で最も映えます。暑さの中ではインドールやバター感が膨らみやすいため軽量運用が安心です。一方、夜はバニラの艶とトンカの粉感が“クリーミーなのに官能的”へ着地し、褒められ香としての実績も多いです。固形は密着重視、液体は投影が取りやすいと感じる声が目立ちます。

男性向け、女性向け

男性
女性

基調はバニラ/トンカの甘アンバーでわずかにフェミニン寄りですが、シュガリーに走らず“肌の温度”で魅せるタイプのためユニセックス運用しやすいです。パチョリやムスク系とのレイヤリングで中性的に寄せる楽しみも広く、“バニラは好きだが菓子っぽいのは苦手”という男性側の支持も得ています。

属性

フレグランスホイールとは?

分類

  • アンバー系・・・ソフトアンバー
  • フローラル系・・・フローラル
バニラ×トンカがつくる滑らかな甘樹脂の“温度”が骨格(ソフトアンバー)。中心は抽出系バニラのコクで、厚いウッドやモスは据えられていないためウッディ/シプレは外します。立ち上がりでジャスミンの生花感がしっかり呼吸し(ときにバター/蜂蜜/ラバー様まで表情が振れやすい)、甘さを“香水らしい”方向へ整えるため、ここはフローラルで整理します。シトラス主題や海洋調の透明感は置いていません。

補足分類(18の属性からの分類)

  • アンバリー
  • グルマン
  • パウダリー
  • フローラル
  • ムスキー
バニラとトンカがコクと余熱を形成(アンバリー/グルマン)。ドライダウンで粉砂糖のような柔らかさが増し(パウダリー)、ジャスミンが甘さを立体化して“香水の顔”を保ちます(フローラル)。肌に密着するしっとりとしたスキン感が長く残り(ムスキー)、過剰に食香へ寄りません。

持続時間

オードパルファム

  • 香料の濃度・・・約8~15%
  • 持続時間・・・約5~6時間
※ 一般的な濃度でのカテゴライズによる推測です。

バニラリーの香りが似合うイメージ・人物

バニラリーをつけている人のイメージ

焦がし砂糖を見極める“ナイト・パティシエ”

  • 30代後半の男性。銅鍋でキャラメルを炊き、火入れは色と泡で判断します。
  • 店を閉めた後に小さな試作を一つだけ、記録は三行で残します。
  • 服は白のコックコート、私服はダークネイビーが定番です。

レコードとランプで夜を整える“アパートメントDJ”

  • 30代前半の女性。リビングで小さく回し、選曲はソウル〜AORが中心。
  • 来客は少人数、灯りはアンバーグロウのフロアランプだけ。
  • 甘いお酒は少しだけで、会話はゆっくり。

本の布クロスを選ぶ“ブック・コンセルヴァター”

  • 30代後半の女性。紙繊維と糊の呼吸を指先で読みます。
  • 机は白木、道具は最小限、語りは短く正確です。
  • 仕上げの手洗い後、香りは袖口に一滴だけ。

コンソール前で音を磨く“スタジオ・エンジニア”

  • 30代前半の男性。高域の刺さりを削り、声像を近づけるのが得意。
  • 服は黒、合図は頷きだけ、終業後に一曲だけ大音量で聴く。
  • 夜のタクシーで窓を少し開け、冷気で耳をリセットします。

釉薬を薄く掛ける“白磁の陶工”

  • 40代前半の女性。素地の水分と釉の濃度を秒単位で管理します。
  • 工房は低照度、窯出しの音で時間を測ります。
  • 仕事終わりの甘味はバニラビーンズのプリンを一口。