マイヤ エンジャイヴァニル

ヴァニル
ブランド マイヤ エンジャイ(Maya Njie)
分類アロマティックウッディアンバーウッド
季節日中
発売年月日 2016
調香師 マイヤ・エンジャイ
原産国 イギリス
詳細 公式サイト
原材料を知らないまま香水を選んでいませんか?原材料についてはInstagram(@semiperfumer)などでわかりやすく解説しています

どんな香り?(口コミ含む総合評価)

「ヴァニル(Vanilj)」は、北欧の伝統に着想を得たカルダモン×バニラを軸に、パチョリとシダーが骨格を作るウッディ・スパイシーの“ぬくもり系”バニラです。

立ち上がりはフレッシュでややクールなカルダモンが主導し、数分でバニラが溶け出して粉砂糖のようなパウダリー感とほのかな「バーボン」のコクを与えます。中盤はシダーとパチョリがドライな輪郭を添え、終盤はムスクとアンバーがやわらかく包みます。全体として砂糖過多のグルマンには振れず、〈スウェーデンのカルダモンロールの生地〉や〈ミルキーなチャイの湯気〉を思わせる「食べものの心地よさ」を、香水らしい清潔感で整えています。

ヴァニルの香りのイメージ

拡散は近〜中距離、持続は中程度(肌質で短く感じる方も)との口コミが多く、ユニセックスで秋冬のデイリーに最適です。肌によっては冒頭にメンソール様/薬草系に感じることがあり(“タイガーバームに似た”との報告)、反対にバニラの甘さが控えめで上品という高評価も目立ちます。

香りの構成

  • トップノート
    • カルダモン:冷涼でシャープなスパイスの立ち上がりです。肌によっては薬草・メンソール様のニュアンスが数分出ることがありますが、すぐに温度が落ち着きます。
  • ミドルノート
    • バニラ、パチョリ:バニラが粉っぽいクリーミーさと“ほんのりブージー”なコクを、パチョリがビターな陰影を与えて甘さを引き締めます。ここで生地感(生のドウ)やチャイラテを連想する方が多いです。
  • ラストノート
    • シダーウッド、ムスク、アンバー:シダーのドライウッドと、ムスクのクリーンな肌感、アンバーのほの温かい残り香に落ち着きます。甘さは終始節度があり、ウッディの芯が最後まで残ります。

ヴァニルと似てる香水

  • ディプティック「オー デュエル(Eau Duelle)」カルダモンを含むスパイスの透明な立ち上がり→紅茶的な樹脂感とウッディがドライに広がり→バニラはムスクとともに薄いヴェールとして残る=“甘さ控えめのスパイスド・バニラ×ウッディ”の骨格がVaniljと近い
  • セルジュ ルタンス「アン ボワ ヴァニーユ(Un Bois Vanille)」乾いた杉/サンダルウッドの木肌にバニラを沿わせ→樹脂(ベンゾイン)で温度を足してゆっくりと収束=“ウッディ先行で甘さは後ろ”という落ち方が共通
  • ニシャネ「アニ(Ani)」ベルガモットとカルダモンのドライスパイスが先導→バニラ/ベンゾインが厚みを与え→サンダルウッド/シダーで端正にドライダウン=“カルダモン×ウッディ×バニラ”の三角形が明確に重なる(拡散はやや強め)
  • ラボラトリオ オルファティーボ「ヴァネラ(Vanhera)」カルダモン/黒胡椒/シナモンの辛口トップ→キャッシュメラン/サンダルウッドのドライな芯にバニラを控えめに重ね→肌上でスモーキーに収束=“スパイスの輪郭に寄り添うバニラ”という設計が近い
  • ジュリエット ハズ ア ガン「バニラ バイブス(Vanilla Vibes)」塩のミネラル感で始まり→サンダルウッド/ムスクのドライさにバニラが薄膜で乗る=“甘さを引き算したエアリー・バニラ×ウッディ”という質感が共通(海塩のニュアンスぶん、ややミネラル寄り)

おすすめの季節と時間帯

日中

スパイスとウッドの温度感が秋冬に映え、室内でも過度に甘くないため日中使いしやすいです。夜はアンバーとムスクの包容力が増し、落ち着いた色気を添えます。夏は乾いた屋内や夜なら心地よく、猛暑の直射下では重く感じる方もいます。

男性向け、女性向け

男性
女性

甘さ控えめのバニラとドライウッドの均衡で本質的にユニセックスです。肌質によってウッディが勝って“ややマスキュリン”、あるいはバニラの柔らかさが前に出て“ややフェミニン”と振れますが、全体平均ではごく僅かに女性寄りと判断します。

属性

フレグランスホイールとは?

分類

  • フレッシュ系・・・アロマティック
  • アンバー系・・・ウッディアンバー
  • ウッディ系・・・ウッド
開幕はカルダモンのアロマティックさとシダー/パチョリの木質が骨格(ウッド/アロマティック)。終盤はバニラ+アンバーが木質の中に温度と厚みを作るため、ウッディアンバーで整理します。濃厚な樹脂甘味や重厚なレザー調は主旋律にならず、フローラルやシトラスは補助に留まります。

補足分類(18の属性からの分類)

  • アロマティック
  • アンバリー
  • ウッディ
  • スパイシー
  • パウダリー
  • ムスキー
主旋律はカルダモンの温スパイスとシダー&パチョリの木質(スパイシー/ウッディ)。バニラ+アンバーが穏やかな甘みと温度を加え(アンバリー)、テクスチャーは粉質寄り(パウダリー)。仕上げのクリーンムスクが清潔な肌香を引き伸ばします(ムスキー)。全体は“ホテル・ロビー系の上品バニラ”です

持続時間

オードパルファム

  • 香料の濃度・・・約8~15%
  • 持続時間・・・約5~6時間
※ 一般的な濃度でのカテゴライズによる推測です。

ヴァニルの香りが似合うイメージ・人物

ヴァニルをつけている人のイメージ

北欧の朝にカルダモンロールを焼く“ベーカリー主”

  • 30代前半の女性。夜明けに生地をこね、発酵の温度を掌で読む。
  • 店内は白木とブリキ、窓辺に小さな緑を一鉢。
  • 砂糖は控えめ、香りはスパイスとバターの湯気で整える。

厚手のニットを編む“北国のテキスタイルデザイナー”

  • 30代後半の女性。毛糸の撚りと手肌の保湿に細心を払う。
  • アトリエは白壁と古材のテーブル、窓から低い光。
  • 外出時は黒のコート一枚、余計な装飾は持たない。

ラストオーダー前に一曲流す“小箱のバーテンダー”

  • 30代後半の男性。氷を割る音で会話の間合いを決める。
  • バックバーはオークの棚、灯りは低く揺れる。
  • シェーカーは短く振り、言葉も短い。

余白で文章を整える“夜ふけのエディター”

  • 30代前半の男性。赤字は最小限、段落の呼吸でリズムを刻む。
  • デスクは白紙と鉛筆と木製トレイだけ。
  • 仕上げに窓を少し開け、寒気で頭を澄ませる。

白磁の釉を薄く掛ける“陶房の主”

  • 40代前半の女性。土を練り、指先で水分量を微調整する。
  • 焼成表は温度曲線のみ、説明は三行で足りる。
  • 仕事終わりに温いチャイを一杯。