ダンナムいちご大福

ブランド | ダンナム(d' Annam) |
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分類 | ソフトアンバー |
季節 | 春秋日中夜 |
発売年月日 | 2024 |
調香師 | アイン・ンゴー |
香料を知って香水が楽しくなるInstagram(@semiperfumer)も始めました
どんな香り?
Strawberry Mochi – いちご大福 − は、名のとおりの“いちご”先行ではなく、餅生地(もち米)とあんこの写実性を主軸に据えたセイボリー寄りのグルマンです。

立ち上がりは粉気を帯びたでんぷん質の温かな米の香りがふわりと広がり、ほどなくあんこ×黒砂糖が穏やかな甘みと“ほくほく感”を加えます。日本人なら大福を連想する方が多いはず。

いちごは多くの肌で輪郭だけ/後ろのニュアンスとして現れ、乾いてくると薄いストロベリーミルク~ジャムの影に移行。終盤はバニラが全体をやわらげ、粉砂糖のようなパウダリーさを残します。

拡散は控えめ、肌近くで穏やかに香る設計で、ベッドタイムや静かな室内に好相性。一方でポップコーン/プレイドー/“犬っぽい”湿気に感じたとの声もあり、体温や季節で出方の差が大きいタイプです。

甘すぎない“米系グルマン”を探す方、ホッとする食感描写を楽しみたい方に◎
香りの構成
- トップノート
- もち米、イチゴ:粉をはたいたようなでんぷん質のふくらみが一気に立ち上がり、いちごは微光のように淡く。肌次第でバターを思わせる穀物様/コーン様、あるいはシャンプー的・ガム的な苺ニュアンスに転ぶことがあります。
- ミドルノート
- あんこ、黒砂糖:小豆のほくほく感とナッティーな甘みが中心に。粉気は薄まり、黒砂糖のコクが穏やかに層を作ります。一部では白花(ジャスミン様)の気配を連想させる清潔感が顔を出すという口コミもあります。
- ラストノート
- バニラ、もち米:軽やかなバニラが生地の丸みを包み、粉糖/求肥のような柔らかなパウダリーさで収束。ごく遅れてストロベリーミルク~薄いジャムの陰影が香りの輪郭に残ることがあります。
いちご大福と似てる香水
- Thoo「キープ グレーズド(Keep Glazed)」ストロベリーリーフ/マンゴーのフルーティなトップ→シャンティクリーム&ココナッツのホイップなハート→フルーティムスクでやわらかく残る=“苺デザート×クリーム×ムスク”の構成がStrawberry Mochiの甘い層と方向一致(デザート系の質感が最も近い)。
- イヴ・サンローラン「モン パリ(EDP)」ストロベリー主体のベリー系トップ→白花のハート→パチョリ/ホワイトムスクで透明に収束=“苺×ムスク”の甘酸っぱい残香が通じる(モチの乳白感は弱めだが骨格が近い)。
- キリアン「ラブ、ドント ビー シャイ」ネロリの明るさにマシュマロとバニラがとろけ、ミルキーなベースで長く残る=“求肥のようなふわ甘×バニラ”という口福な質感が共通(果実感より質感で接近)。
- パルル モア ドゥ パルファム「ミルキー ムスク」ミルク様ムスクのソフトなハートからウッディに淡くスキンセントへ着地=“白玉のようなミルキーな肌感”という後半の質感が近い(苺は無いがドライダウンが合う)。
- ジュリエット ハズ ア ガン「MMMM...(ムー)」ラズベリーとネロリのトップ→ヘリオトロープ/バニラで“クリーム菓子”風にふくらみ→ムスキーにフェード=“果実×バニラ×パウダリー”の包みが苺餅の濃厚ハートの雰囲気に重なる。
おすすめの季節と時間帯
春 夏 秋 冬
日中 夜
男性向け、女性向け
男性 女性
砂糖×バニラの柔らかさがわずかにフェミニンへ寄る一方、甘さ控えめの米・豆の写実性がユニセックス性を底上げ。実際のレビューでも“女性が心地よく纏える甘さ”と“男性でも違和感のない穀物系グルマン”の両輪が確認できます。フルーツが主役でない点も、中性的に使いやすい要因です。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- アンバー系・・・ソフトアンバー
核は黒砂糖+バニラが与える甘やかな温もりと、粉糖様の柔らかい包容で整理できるためソフトアンバーを主軸に据えます。いちごの要素は多くの肌で“後景の気配”に留まり、全体像を明るくする補助的フルーティとして位置づけるのが適切。香りの重心は常に穀物のパウダリーな甘みとまろやかな甘香にあり、フルーツは主旋律ではありません。
補足分類(18の属性からの分類)
- グルマン
- パウダリー
- フルーティ
餅生地・あんこ・黒砂糖・バニラがつくる“食感まで描く”甘香(グルマン)。求肥や粉糖を想起させる微細な粉感が余韻を柔らげます(パウダリー)。いちごは中心ではなく輪郭を明るくする要素に留まり、乾き始めから後半にかけて薄いストロベリーミルク~ジャムの陰影として作用します(フルーティ=補助)。
持続時間
オードパルファム
- 香料の濃度・・・約8~15%
- 持続時間・・・約5~6時間
いちご大福の香りが似合うイメージ・人物

朝一番に餅を搗く“下町の和菓子職人”
- 30代後半の男性。蒸籠の湯気に向き合い、木べらで求肥の艶を見極めます。
- 作業台は打ち粉が舞い、道具は乾いた木の手触りです。
- 仕上げに苺を忍ばせ、甘さは控えめに調律します。
こたつで手紙を書く“夜ふけの文筆家”
- 30代前半・性別不問。膝掛けと便箋の繊維が心拍を落ち着かせます。
- 湯のみの湯気と豆菓子で静かな集中を整えます。
- 言葉の角は丸く、読み手の体温に寄り添います。
河岸のベンチで三時を待つ“おやつ研究家”
- 30代後半・性別不問。紙袋の和菓子を手の熱で少し温めます。
- 風は冷たく、陽はやわらかく、時間はゆっくり流れます。
- 甘さを“量”でなく“質感”で捉えます。
市場で苺を選ぶ“朝のバイヤー”
- 30代前半・性別不問。青果の香りを確かめ、赤の色温度で仕入れます。
- 仕事着は白シャツにデニム、所作は迅速です。
- 休憩は白玉と薄茶で短く済ませます。
焼き上がりを見届ける“陶房の人”
- 30代後半・性別不問。窯出しの器に薄く粉を払います。
- 土と水の匂いに、手は素地のざらりを覚えています。
- 釉の艶は控えめ、面で静けさを出します。
穀物の温もりと粉感が活きる春・秋がベスト。夏の高温多湿ではセイボリー/コーン様に転びやすいとの声が散見されるため適性は下がります。夜間や就寝前に心地よい“やさしい甘香”として支持が多く、日中も近距離のパーソナルな香りとして扱いやすい一方、強い存在感を求めるシーンには不向きです。