メゾン マルジェラジャズ クラブ

香料を知って香水が楽しくなるInstagram(@semiperfumer)も始めました
「ジャズ クラブ」は、ラム×タバコリーフ×バニラを軸に、乾いた樹脂とウッディで奥行きを出すアンバリー・ウッディです。立ち上がりはピンクペッパーとレモン、ネロリが小気味よく弾け、甘さに透明感とドライな切れ味を与えます。すぐにラムの芳醇な温度とクラリセージ、ベチバーのハーバル/ドライウッドが合流し、バーの木肌や古い楽器のニスを思わせる落ち着いた雰囲気に移行します。ドライダウンはスチラックス(樹脂)とタバコリーフにバニラが絡み、甘さは“濃厚”よりも乾いたバニラの温もりとして香ります。

全体像は「甘・苦・煙」が渾然一体で、コーラ/ルートビア的に感じる方や、革張りのブースや古書の棚を想起する方もいらっしゃいます。拡散は近〜中距離、持続は肌質・気温でブレやすく中程度。強く感じる時間は限られ、その後はスキンセンツ的に残りやすいです。ユニセックスながらやや男性寄りの佇まいで、秋冬の夜/デートやスマートカジュアルに相性が良いです。一方で、金属的・頭痛のトリガーになる、灰皿的に感じるなどの個人差もあるため、盲買いは非推奨です。
香りの構成
- トップノート
- ピンクペッパー, レモン, ネロリ:スパークするピンクペッパーに、レモンとネロリのドライな明度が重なってスタートします。人によってはアルコールっぽい刺さりやメタリック/清涼(スペアミント様)に感じる短い瞬間があります。
- ミドルノート
- ラム, クラリセージ, ベチバー:ラムの芳醇さが厚みを作り、クラリセージのハーバルとベチバーのドライウッドが甘さを引き締めます。ここでタバコリーフの気配が徐々に立ち上がり、“古い木材・楽器の胴”を連想させるニュアンスやコーラ/ルートビア的な陰影を感じるという口コミもあります。
- ラストノート
- スチラックス(樹脂), タバコリーフ, バニラ:スチラックスの樹脂感と未燃のタバコリーフが核となり、バニラは粉感を帯びた“乾いた甘さ”として余韻を丸くします。煙たさ<甘苦い葉の油分という印象で、過度にグルマンには振れません。
ジャズ クラブと似てる香水
- トム フォード「タバコ・バニラ」スパイスの温かいトップ→パイプタバコ様の甘いトンカ/バニラのハート→ドライウッドで長く残る=ジャズ クラブのラムの甘苦さと“甘いタバコ×アンバー・バニラ”に集約するドライダウンが共通(こちらはより濃厚でスパイシー)
- ディオール(メゾン クリスチャン ディオール)「トバカラー(Tobacolor)」はちみつ混じりのフルーティなタバコが立ち上がり、アンバーの温もりを通ってスモーキーなウッド/ムスクでとろける=“酒精感×タバコの甘煙×アンバー”という運びと拡散感が近い
- ジバンシイ「ジェントルマン オーデパルファム リザーブ プリヴェ」ウイスキー・アブソリュートのブーズィーなトップ→アイリスのパウダリーがタバコ様の甘さを丸め→ウッディ/アンバーで肌に滑り込む=“酒精×甘い樹脂×木”の艶やかな残り香が重なる(こちらはアイリスの粉感がアクセント)
- パルファム ド マルリー「ヘロド」シナモン/ペッパーのスパイシー序盤→バニラ/トンカが厚く乗るダークタバコのハート→シダー/ムスクでドライダウン=“スパイシーなタバコ・バニラ”骨格と濃密で温かい余韻が近い
- エルメス「アンブル ナルギレ」ラムレーズンや干し果実を思わせるブーズィーな甘み→シナモン/トンカ/タバコ葉の水煙草アコード→アンバーで柔らかく霞む=“甘い酒精×タバコ×アンバー”をより丸く蜜っぽく解釈したドライダウンの方向が一致
おすすめの季節と時間帯
春 夏 秋 冬
日中 夜
男性向け、女性向け
男性 女性
タバコ×ラム×ドライウッドの骨格がやや男性寄りの設計に映りますが、乾いたバニラと樹脂の丸みがユニセックス性を担保します。実際に女性の愛用例も目立ち、近距離での“温かい色気”を評価する声が多いです。反面、灰皿的・金属的に感じる個人差もあるため、ご自身に合うかどうか肌での試香推奨です。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- アンバー系・・・アンバー
- ウッディ系・・・ドライウッド
樹脂(スチラックス)とラム・タバコリーフを核にした温かな樹脂調が骨格の中心にあるためアンバーを主軸化します。並走するベチバー由来の乾いた木質と、香全体のドライなトーンからドライウッドも主軸に置きます。トップのクラリセージ/ネロリが与える清涼・ハーバル感は補助に留まります。
補足分類(18の属性からの分類)
- アロマティック
- アンバリー
- ウッディ
- グルマン
- スパイシー
- パウダリー
樹脂とラムが温度と厚みを作り(アンバリー)、ベチバーや木部のニュアンスが乾いた骨格を支えます(ウッディ)。ピンクペッパーが序盤の躍動とキレを付与し(スパイシー)、バニラは砂糖菓子ではなく“乾いた甘さ”で包みます(グルマンは軽め)。クラリセージ/ネロリの清涼はトップの補助的ハーバル(アロマティック)にとどまり、ドライダウンで樹脂×バニラ由来の微かな粉感を覚える方もいます(パウダリー)。
持続時間
オードトワレ
- 香料の濃度・・・約5~8%
- 持続時間・・・約3~4時間
ジャズ クラブの香りが似合うイメージ・人物

夜の温室をひらく“レザージャケットのヘッドガーデナー”
- 30代後半・性別不問。夕方に剪定と灌水を終え、閉館後の温室で記録をつける。
- 服はオリーブと黒。革手袋はよくなじんで無駄がない。
- 香りは近距離でだけ、空気を切り替えるスイッチ。
“第一印象を設計する”広報ディレクター
- 30代後半の男性。黒のテーラードに白シャツ。挨拶は短く、所作は端正。
- 強香は避けつつ、冒頭だけ芯を通す。
- 香りは近接で控えめに運用し、場の空気を乱さない。
革装本の綴じを直す“ブック・コンセルヴァター”
- 40代前半・性別不問。紙粉と糊、皮革の収縮を読む。
- 黒縁眼鏡にチャコールの作業着、声は低めで穏やか。
- 香りは自分にだけわかる“近接半径”に調整する。
ヴィンテージ・スーツを見立てる“リファイン・バイヤー”
- 30代後半の女性。グリーン・シプレの古典を愛読。
- 艶よりも“輪郭の良さ”で品を判断する。
- 香りは一吹きで締め、都会的な端正さを保つ。
“無駄のない線”を引くプロダクトデザイナー
- 30代前半・性別不問。図面は直線で、素材はドライに。
- 移動はバイク。装飾は持たない。
- 香りは軽量で直線的、作業と移動のリズムを崩さない。
秋冬〜冷涼な夜に最も映えます。序盤のラムとペッパーが心地よく、乾いたバニラとタバコリーフで温かい余韻へ。近距離での色気は高評価が多い一方、過量で重く/頭痛のトリガーになる報告もあるため、スプレー数は控えめが安心です。オフィスは香りの規範次第で、夜の外出やデートに最適です。