ザラサンドデザートアットサンセット

サンドデザートアットサンセット
ブランド ザラ(ZARA)
分類アンバーウッドソフトアンバー
季節
発売年月日 2023
調香師 ブノワ・ラプーザ
原産国 スペイン
詳細 公式サイト
香料を解説したりするInstagram(@semiperfumer)も始めました

「SAND DESERT AT SUNSET(サンド デザート アット サンセット)」は、オレンジの一閃のあと、シナモンとトンカ、ココア〜ダークチョコのコクが主旋律になる温香のアンバー・グルマン。

サンドデザートアットサンセットの香りのイメージ

お香(インセンス)は煙たさを煽らず、甘さの輪郭を引き締める役目に徹します。ドライダウンではアイリスのパウダリーさとシダーの乾いた木目がのぞき、“チョコレートオレンジ+シナモントースト”から、さらりとしたスパイス・ウッディへ滑らかに移行します。

類似点が指摘されるキリアンの「エンジェルズ シェア」はコニャックのエッセンスとオークを核に、バニラやプラリネが重なって、より濃密で“リキュールのデザート”のような余韻を描くのに対して、「サンド デザート アット サンセット」は、コニャックやオーク樽の酒香を前面に押し出すタイプではなく、エンジェルズ シェアよりまろやか、という違いがあります。

拡散は序盤〜中盤が中程度、持続は肌で2〜6時間が目安(個人差あり)。高温多湿や過量ではこもりやすいため、秋冬や夜に少なめのスプレーが最も品よく決まります。性別を問わず手に取りやすいバランスですが、乾いたウッディの余韻がわずかにマスキュリンに寄せます。

香りの構成

  • トップノート
    • オレンジ、インセンス:みずみずしいビターオレンジが短く閃き、すぐにインセンスが甘さの輪郭を締めて透明な陰影を付与。リコリス様のほのかな“黒い清涼感”を一瞬感じるという口コミもあります。
  • ミドルノート
    • シナモン、トンカビーン、チョコレート:ここがメイン。シナモンの温度とトンカのクリーミーな甘さが絡み、チョコレートはココア寄りに控えめな厚みを与えます。「テリーズのオレンジチョコ」を思わせるという口コミの瞬間がありつつ、過度に砂糖菓子には振れません。ブランデー様の強いリッチ感は出さず、スパイスの心地よさで引っ張ります。
  • ラストノート
    • アイリス、シダー:アイリスがふんわり粉感を置き、シダーが乾いた木肌で甘さを整列させます。アンバー様・バニラ様の温もりが薄く残り、肌なじみのよいスウィート・ウッディに収束します。体温が高いとパウダリーが強まり、低いとシダーのドライさが前に出やすい設計です。

おすすめの季節と時間帯

日中

秋冬〜冷涼な春に最も映えます。シナモン/チョコの温度感が澄んだ空気で立ち上がり、過剰に重くならないため。夏は夜間や空調下なら心地よく、猛暑日・直射下では甘さとスパイスがこもって息苦しさや頭重感につながる場合があります。デートやカジュアルな外出に好相性で、少量でも印象はしっかり残せます。

男性向け、女性向け

男性
女性

シナモンとトンカの甘さに、ラストのシダーとアイリスがドライで端正な輪郭を与えるため、わずかにマスキュリン寄りのフィーリング。ただしチョコレートとアンバー様の温もりが“食香のやさしさ”を保ち、性別を問わず取り入れやすい仕上がりです。実際の使用感の口コミでも「甘いのに軽く、日常使いしやすい」「やや男性寄りに感じる/女性でも心地よく使える」と分かれており、総合するとほぼユニセックスの均衡です。

属性

フレグランスホイールとは?

分類

  • アンバー系・・・アンバー、ソフトアンバー
  • ウッディ系・・・ウッド
主軸はスパイシーなアンバーに、シダーの乾きとオレンジの導入を重ねた“軽やか寄りの温香”。グルマンの丸さを保ちながら、煙たさや重たさを抑えた調律です。

補足分類(18の属性からの分類)

  • アンバリー
  • ウッディ
  • グルマン
  • シトラス
  • スパイシー
  • パウダリー
シナモンとトンカが温甘の核(アンバリー/グルマン)。インセンスのニュアンスが甘さを引き締め(スパイシー)、後半はシダーとアイリスで乾いた余韻と粉感を付与(ウッディ/パウダリー)。冒頭のビターオレンジはトーンを一段明るくします(シトラス)。

持続時間

オードパルファム

  • 香料の濃度・・・約8~15%
  • 持続時間・・・約5~6時間
※ 一般的な濃度でのカテゴライズによる推測です。

サンドデザートアットサンセットの香りが似合うイメージ・人物

サンドデザートアットサンセットをつけている人のイメージ

銅鍋を磨いて温度を“半度”刻みで合わせるショコラティエ

  • 30代後半の男性。作業前に銅鍋を温め、カカオを“粉から艶”へ移す温度管理が得意。
  • 黒の前掛けとマットな革靴。言葉少なめで所作は正確。
  • 仕事終わりに袖口へ一吹き、近距離だけ甘さを残す。

オレンジの皮を削ぎ、シナモントーストを焼く“朝の詩人”

  • 30代前半の女性。夜明けのキッチンで短詩を書き、トーストに皮をひと撫で。
  • 白シャツとウールのカーディガン。ノートは罫線少なめ。
  • 外出前に手首へ少量、電車内でだけふわりと香らせる。

砂丘のロッジで焚き火の火加減を見守るコンシェルジュ

  • 30代後半・性別不問。黄昏にランタンを灯し、夜の冷気を読んで毛布を配る。
  • 生成りのニットとテラコッタ色のストール。
  • 香りは“共有空間に残り香を残さない”運用。

古書の綴じを直す本の修復士

  • 40代前半の男性。紙粉と糊の呼吸を読み、革表紙を静かに馴染ませる。
  • チャコールの作業着、所作は一定のリズム。
  • 甘香は最小限、近接でだけ安堵を与える程度に。