ザラローズグルマン

香料を解説したりするInstagram(@semiperfumer)も始めました
ROSE GOURMAND(ローズグルマン)は、ターキッシュローズの濃密さを主軸に、バニラとトンカビーンのクリーミーな甘さ、アンバーウッドの温かい厚みを重ねたグルマン寄りのフローラルアンバーです。立ち上がりは甘い“ローズシロップ/ローズジャム”の印象がはっきりし、早い段階でバニラが合流して砂糖菓子のような官能を形成します。ミドル以降はアンバーとわずかなパウダリーさが輪郭を整え、ラストはムスキーで滑らかな甘さへ静かに落ち着きます。

香りの軸は甘いローズ×バニラで終盤まで大きくは揺らぎません。拡散・持続は個人差が大きく、強い投射と長時間持続を実感するケースから、2〜3時間で穏やかになるという口コミまで分かれます。高温・多湿や過度の噴霧では、甘さ過多/頭痛を感じやすいため、秋冬や夜に最も映えます。甘いローズが好みの方には、デイリーの少量使いでも十分に魅力を発揮するでしょう。
モンタルのアントンスカフェに似ているという声もよく聞こえてくる香りです。
香りの構成
- トップノート
- ターキッシュローズ:ジャムのように艶のあるローズが一気に立ち上がります。アルコールの角や金属的(硬質)な酸味を短時間感じるという口コミもあります。
- ミドルノート
- アンバー、アンバーウッド:ローズに温かい厚みを与え、砂糖菓子/ターキッシュディライトを思わせるグルマン方向へ。軽いパウダリーのベールがかかり、体温で柔らかくふくらみます。
- ラストノート
- バニラ、トンカビーン、ホワイトムスク:クリーミーで包み込むような甘さに落ち着きます。ナッティ(トンカ由来)や淡いスモーキー感を覚えるという口コミもあります。終盤まで“ローズ・バニラ”の主旋律は保たれます。
おすすめの季節と時間帯
春 夏 秋 冬
日中 夜
男性向け、女性向け
男性 女性
甘いローズ×バニラのため全体像はフェミニン寄りです。一方でアンバーウッドとムスクがベタつきを抑え、ウッディな骨格と清潔感を与えるため、男性のカジュアル〜ナイトユースでも違和感はありません。好みと肌質で評価が割れやすい香りです。甘いローズが得意な方には汎用性の高い一本になります。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- アンバー系・・・アンバー、フローラルアンバー
- フローラル系・・・フローラル
主旋律はローズ×バニラのフローラルアンバーで、アンバー(とアンバーウッド)が温度と厚みを与えます。全体は“甘い花”の輪郭を保ちながら、終盤にかけてアンバーの官能が前景化します。
補足分類(18の属性からの分類)
- アンバリー
- ウッディ
- グルマン
- パウダリー
- フローラル
- ムスキー
濃密なローズにバニラとトンカが重なって食香調の甘さを強調します(グルマン/アンバリー)。粉砂糖のようなやわらかさが香面を整え(パウダリー)、終盤はホワイトムスクが清潔で肌に密着する余韻を引き出します(ムスキー)。ベースのアンバーウッドが甘さを支え、軽い木質の骨格を感じさせます(ウッディ)。一部の肌では立ち上がりにメタリックな硬さや、甘さのこってり感が強く出るため、用量調整が推奨です。
持続時間
オードパルファム
- 香料の濃度・・・約8~15%
- 持続時間・・・約5~6時間
ローズグルマンの香りが似合うイメージ・人物

蜂蜜色の照明で客を迎えるブティックホテルのコンシェルジュ
- 30代後半の女性。夜のロビーを落ち着いた声で整える。
- 黒のテーラードに繊細なジュエリー、所作は静か。
- 香りは近距離でだけ柔らかく伝わる設計に。
ターキッシュディライトを淹れるティーサロン主宰
- 30代後半・性別不問。茶葉の抽出と温度管理に厳密、甘い菓子は一口で十分。
- 生成りとベージュの装い、香りは“甘いが粘らない”を選ぶ。
“ローズシロップの温度”で甘さを設計するペイストリーの研究開発
- 30代前半の男性。新作の砂糖濃度と火入れ時間を秒で管理。
- 厨房では黒エプロン、装飾は最小限。
- 私物の香りは“食香に寄り過ぎない上品な甘さ”が基準。
ベルベットのラックを整えるヴィンテージ・ブティックのバイヤー
- 40代前半の女性。サテンとレースの質感を見極め、明度の違いでコーデを組む。
- 甘さは“質感”で表現し、香りは一吹きで足すだけ。
ゴールデンアワーを追うポートレートフォトグラファー
- 30代前半・性別不問。夕景の柔らかい光で肌の艶を引き出す。
- 画面を濁らせないよう、衣類裏にだけ少量スプレー。
- 香りは“甘いけれど透明な抜け”を重視。
秋冬と夜に最も映えます。甘いローズとバニラのボリュームが低温下で上品に密度を増し、官能的な余韻を長く保ちます。夏は高温・多湿で甘さが膨らみやすく、少量/涼しい環境での使用が快適です。デートの近接距離でも好相性ですが、過度の噴霧は酔いやすいため注意なさってください。