ジョー マローンミルラ & トンカ コロン インテンス

香料を知って香水が楽しくなるInstagram(@semiperfumer)も始めました
「ミルラ & トンカ コロン インテンス」は、温かな樹脂とクリーミーなバニラ/アーモンドの甘さを、ラベンダーの清涼感で端正に整えるアンバー・スウィートです。スモーキー過ぎないバルサミック・バニラに着地し、上品な甘さと静かな色気を両立します。

序盤はハニーと干し草のニュアンスを帯びたラベンダーがふわりと立ち上がり、中盤でナミビア産オムンビリミルラが艶やかな樹脂感とほのかなスパイスを広げます。後半はトンカビーンズが粉糖のようなコクとタバコ様の香ばしさを与え、パウダリーに落ち着きます。
香りの主張は近〜中距離で、肌質・気温で体感差が出やすいですが、日中の上品な“ぬくもり”としても、夜のしっとりした装いとしても成立します。ラベンダー由来のアロマティックさが凛とした印象を作る一方、トンカの柔らかさでフェミニンに映るという声もあります。樹脂の焚香やレザーを想起する、あるいはコーラ様・ゴム様のニュアンスがあるという口コミも見受けられますが、いずれもミルラとトンカの合わさり方による個人差の範囲に収まります。
香りの構成
- トップノート
- ラベンダー、ハニー、干し草:アロマティックな清涼感に、蜂蜜とドライハーブの柔らかな甘苦さが重なります。わずかにメントール/ミント様のひんやりした立ち上がりを感じるという口コミもあります。
- ミドルノート
- オムンビリミルラ(ナミビア産):バルサミックで艶のある樹脂感が核になります。軽いスモークのヴェールがかかり、焚香、コーラ様、レザー様など口コミは様々です。
- ラストノート
- トンカビーンズ、バニラ:アーモンドと粉糖のような丸み、ほんのりタバコ様のロースト感が広がり、パウダリーで包まれるようにフィニッシュします。
ミルラ & トンカ コロン インテンスと似ている香水
- ディオール「フェヴ デリシューズ」トンカのアーモンド様甘香→カカオ/バニラの厚み→ムスクでまろやかに長尾=“トンカ主役のグルマン”が近い
- ゲラン「トンカ アンペリアル」アーモンド/トンカの芳醇→タバコ様ニュアンス→バニラ/ベンゾインで官能着地=“高密度トンカ”の質感が共通
- エルメス「アンバー ナルギレ」蜂蜜×シナモンの温もり→アンバー/トンカのとろみ→ウッディで煙の尾=“暖かいグルマン・アンバー”の運びが通じる
- メゾン フランシス クルジャン「グラン ソワール」ベンゾインの琥珀光→バニラの円み→ラブダナムで長尾=“バニラ×樹脂の夜”という残香が近い
- トム フォード「トバコ・バニラ」スパイス→トンカ/バニラの厚み→ドライウッド=タバコ要素は強いが“トンカ×バニラの甘温度”が通じる
おすすめの季節と時間帯
春 夏 秋 冬
日中 夜
男性向け、女性向け
男性 女性
開幕のラベンダーとミルラの凛とした樹脂感がわずかにマスキュリンへ傾きます。一方で、トンカとバニラのやわらかな甘さが肌に丸く乗るため、フェミニンな装いにも十分映えます。印象は“静かな色気のアンバー”。香りのキャラクターがはっきりしている分、嗜好や肌質で感じ方の振れ幅があります。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- フレッシュ系・・・アロマティック
- アンバー系・・・アンバー、ソフトアンバー
核は樹脂的なアンバーで、焚香の陰影をもつ「ソフトアンバー」寄りに仕立てられています。ラベンダーがアロマティックな輪郭と清潔感を付与するため、バルサミックな甘さがありながら重たく引きずらず、滑らかな余韻へとつながります。
補足分類(18の属性からの分類)
- アロマティック
- アンバリー
- オリエンタル
- グルマン
- スパイシー
- パウダリー
ミルラの樹脂とアンバー感が中心です(アンバリー/オリエンタル)。トンカとバニラがクリーミーな丸みとわずかなナッツ感、粉感を形成します(グルマン/パウダリー)。ラベンダーが骨格と清涼感を与え(アロマティック)、樹脂のスパイス様の側面が奥行きを作ります(スパイシー)。結果として“スモーキー過ぎないアンバー・スウィート”にまとまります。
持続時間
オーデコロン
- 香料の濃度・・・約3~5%
- 持続時間・・・約1~2時間
ミルラ & トンカ コロン インテンスの香りが似合うイメージ・人物

砂丘で星を待つ“フィールド天文学者”
- 30代後半・性別不問。夕刻に機材を組み、夜更けの冷気で頭を冴えさせてシャッターを切る。
- ウールのブランケットと温かい飲み物を常備、言葉少なめで丁寧。
- 香りは“自分を落ち着かせる半径”にだけ留める。
古書の綴じを直す“ブック・コンセルヴァター”
- 40代前半の女性。紙繊維と糊の呼吸を読み、作業場は常に乾いた清潔感。
- 革表紙のきしみを好ましい経年として受け入れる。
- 仕事中は近接でだけわかる穏やかな香りを一滴。
夜の香座を開く“小さな香りのアトリエ主宰”
- 30代半ば・性別不問。来客は少人数、声量は上げずに空気の密度だけを変える。
- 木皿と真鍮の道具、灯りは低照度。
- 甘さは控え、余韻で親密さを作る。
カカオを焼き分ける“クラフト・ショコラティエ”
- 30代後半の男性。ロースト時間を秒で刻み、香りは作業後に袖口へほんの少量。
- 甘さは質感で表現し、過度な糖度は嫌う。
- 黒の前掛け、革はマット。
リードを削る“室内楽のオーボエ奏者”
- 30代前半・性別不問。本番前に葦(リード)を調律し、息の温度で音色を整える。
- 黒のジャケット、所作は静謐。
- 舞台裏では香りをミニマムに。
冷涼〜乾いた空気で最も美しく香ります。春は気温が下がる時間帯に好相性、夏は夜や空調下だと甘さが膨らみ過ぎず快適です。オフィスの近距離コミュニケーションから、夜の食事やバーの席まで自然に馴染みます。