ヴァン クリーフ&アーペルボワ ダマンド

ブランド | ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels) |
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分類 | ウッドシトラスソフトアンバー |
季節 | 秋冬日中夜 |
発売年月日 | 2020 |
調香師 | シドニー・ランセッサー |
原産国 | フランス |
詳細 | 公式サイト |
香料を解説したりするInstagram(@semiperfumer)も始めました
「ボワ ダマンド」は、アーモンドとバニラを主軸に、バージニアシダーが甘さを引き締める香ばしくもクリーミーなアーモンド・ウッド。レモンの皮をひと刷けしたアーモンドクッキーを木皿にのせたようなイメージ。序盤はわずかにビターなアーモンドをレモンの光沢が明るくし、ほどなく乾いた木肌が現れて粉糖のような甘さへ移ろいます。ドライダウンはムスクとバニラの柔らかな肌感が続き、グルマンに寄り過ぎない上品な温度を保ちます。

拡散は近接〜中庸、肌ではムスク慣れで自覚しにくいことがあり、体感差が生じます。ウッドが効くためユニセックスですが、わずかにフェミニン側。秋冬・夜に特に映え、オフィスでも使える落ち着きがあります。レビューではレモンを感じにくい肌、シダーが主役に立つ肌、粉っぽいマシュマロのような質感を好む声、開幕に軽い渋みや「もわっ」としたムスキーさを覚えるケースなどの口コミもあります。
香りの構成
- トップノート
- アーモンド、レモン:香ばしくややビターなアーモンドに、レモンの皮のオイル様の明るさが薄く差します。ごく短時間、シャープさや仄かな酸味を強く拾うという口コミもあり、逆にレモンをほとんど感じない肌もあります。
- ミドルノート
- バージニアシダー:ドライで澄んだ木質が立ち、アーモンドとバニラの甘みを整える骨格に。濡れた木肌ではなく、粉をはたいたようなさらりとしたウッドに寄り、ここで甘さが過剰にならないのが上品さの鍵です。
- ラストノート
- バニラ、ムスク:ふわりとパウダリーな甘さとクリーンな肌感へ。焼き砂糖やロイヤルアイシングを思わせる柔らかいヴェールで、アーモンドは輪郭を和らげたまま余韻に溶け込みます。甘さは控えめで、芳醇というより、空気を含んだ軽さが続きます。
おすすめの季節と時間帯
春 夏 秋 冬
日中 夜
男性向け、女性向け
男性 女性
ウッドの骨格で中性的に保ちつつ、粉っぽいアーモンド&バニラのやわらかさが僅かにフェミニンへ傾斜。シダーが強く出る肌ではより中庸に、バニラが豊かに出る肌ではやや女性寄りに感じられます。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- アンバー系・・・ソフトアンバー
- ウッディ系・・・ウッド
- フレッシュ系・・・シトラス
主旋律はシダー主体のすっきりした木質(ウッド)。ラストのバニラ/ムスクが柔らかな温度と丸みを与える(ソフトアンバー)。結果として“甘さを整えたウッディ・グルマン”の輪郭に落ち着きます。
補足分類(18の属性からの分類)
- アンバリー
- グルマン
- シトラス
- パウダリー
- ムスキー
アーモンドとバニラが穏やかな可食調の心地よさを作り(グルマン)、粉糖のような質感がヴェールに(パウダリー)。シダーがドライな骨格を担い(ウッディ)、ラストは清潔な肌なじみで伸びます(ムスキー)。バニラの柔らかな温度感がベースを温め(アンバリー)、レモンが冒頭を明るく整えます(シトラス)。
持続時間
オードパルファム
- 香料の濃度・・・約8~15%
- 持続時間・・・約5~6時間
ボワ ダマンドの香りが似合うイメージ・人物

“縫い代まで端正”なビスポークテーラー
- 30代後半の男性。白シャツとチャコールのベスト。蒸気と木製プレス台の温度で一日の調子を整える。
- 客の前では饒舌にならず、仕立ての精度で説得する。
- 私物の香りは甘さを抑え、近距離だけで温度を伝える設計。
“甘さを見せない甘さ”をつくるフードスタイリスト
- 30代前半の女性。焼成前の生地の香りと道具の木目に落ち着く。
- 画面に食香が残りすぎないよう、香りは手首にごく少量。
- 皿はマットな白、装飾は最小限。
音叉で朝を始めるピアノ調律師
- 30代後半・性別不問。無言で鍵盤を叩き、弦の“微かなズレ”を拾う。
- 黒のジャケット、スエードの靴。所作は静かで正確。
- 香りは袖口の内側にだけ。
活版の余白を愛するブックデザイナー
- 40代前半の女性。紙粉とインクの匂い、木製トレイの手触りに落ち着く。
- 余白と行間で“静けさ”を設計。
- 香りは近づいた人だけが気づく程度に調整。
磨き布を携えるジュエリー・セッター
- 30代半ば・性別不問。工房では話より手が先。光の“にじみ”を微調整する。
- 黒のエプロン、手には微細な粉の跡。
- 香りは作業後に一滴。
“朝のチェックイン”を大切にする投資アナリスト
- 30代後半の男性。早朝のオフィスでチャートを整え、レモン水と短い散歩で頭を切り替える。
- ネイビーのスーツ、革はマット。
- 香りはノイズを消し、近接だけで好印象を残すツール。
空気が澄む秋冬と夜に最良。粉っぽい甘さとドライウッドが美しく立ちます。春は気温が下がる時間帯に映え、夏は空調下や少量使いで心地よい“スキン・グルマン”として機能。“甘すぎず上品”“仕事でも使えるがデートに強い”という体験が目立ちます。