ヴァン クリーフ&アーペルサンタル ブラン

サンタル ブラン
ブランド ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)
分類ウッディアンバーウッドフルーティ
季節日中
発売年月日 2019
調香師 ミシェル・アルメラック
原産国 フランス
詳細 公式サイト
香料を解説したりするInstagram(@semiperfumer)も始めました

「サンタル ブラン」は、イチジクのやわらかなミルキーさでサンダルウッド(白檀)のクリーミーな面を引き出し、スミレとムスクが粉雪のような清潔感でまとめる一作です。序盤はイチジクのネクターとマンダリンの軽やかなみずみずしさ、すぐに白檀がなめらかに広がり、ミドルでパウダリーなヴェールがかかります。ドライダウンはムスク、トンカ、ベンゾインが淡い甘さと肌なじみを添え、白い木肌の余韻へ。

サンタル ブランの香りのイメージ

全体像は“緑に振れすぎないフィグ×ミルキー・サンダル”の静謐なウッディ。肌質や気温次第で「キュウリ/ピクルス様」「ココナッツミルク様」に転ぶケースがあり、ここが好みの分岐点。拡散は近接〜中くらい、持続は肌で中程度・衣類で良好。ユニセックスだがわずかにフェミニン寄りで、オフィスから夜の装いまで端正に寄り添います。ルラボのサンタル 33やディプティックのフィロシコスと比較されますが、より丸くミルキーで、角の取れた着地です。

香りの構成

  • トップノート
    • イチジク(ネクター)マンダリンオレンジ:熟しすぎないフィグのまろやかさに、柑橘の微かな酸味と清潔感が重なります。肌によっては青み(フィグリーフ様)やキュウリ/ピクルスを想起させる冷涼ニュアンスが短時間立ち上がることがあります。
  • ミドルノート
    • サンダルウッド(白檀)スミレ:白檀のクリーミーでスムースな木質が主旋律。スミレがパウダリーな柔らかさを足し、時に“ココナッツミルク”のようなラクトニックな包容感に感じられます。構成は比較的直線的で、穏やかなまま推移します。
  • ラストノート
    • ムスクトンカビーンズベンゾイン:クリーンなムスクに、トンカとベンゾインが柔らかな甘さとバルサミックな奥行きを与え、肌の温度に溶け込む“白い木肌”の余韻に落ち着きます。甘さは控えめで、粉感はあくまで上品。

おすすめの季節と時間帯

日中

気温が高い昼間はフィグの青さや酸味が強まりやすい一方、朝夕〜夜や中間季(春・秋)は白檀のクリーミーさが最も美しく香ります。夏は“軽めの噴霧”で清潔なスキンセントとして好相性、秋は包容感が増し就寝前の香りにも向きます。オフィスでも使いやすく、ナイトシーンでは「ミルキーな白檀」が上品に映えます。

男性向け、女性向け

男性
女性

主調はなめらかな白檀とパウダリーなスミレで、わずかにフェミニンに傾く設計。ただしウッディ基調とクリーンムスクにより性別を問わず馴染み、Santal 33系や“クリーンウッド”が得意な男性にも収まりが良いバランスです。

属性

フレグランスホイールとは?

分類

  • アンバー系・・・ウッディアンバー
  • ウッディ系・・・ウッド
  • フレッシュ系・・・フルーティ
主役はミルキーに整えた白檀。ドライダウンのトンカ/ベンゾインが柔らかなアンバー感を下支えし、序盤のイチジクとわずかな柑橘が軽い果実感を添えます。粉っぽさはアクセントに留まり、全体は端正なウッディ基調です。

補足分類(18の属性からの分類)

  • アンバリー
  • ウッディ
  • スパイシー
  • パウダリー
  • フルーティ
  • フレッシュネス
  • ムスキー
イチジクと白檀が生むクリーミーな木質が軸(ウッディ/パウダリー)。ムスクが“肌っぽい”清潔感を伸ばし(ムスキー)、トップのフィグ&柑橘が軽いみずみずしさを付与(フルーティ/フレッシュネス)。ラストのトンカとベンゾインが穏やかな甘みで輪郭を丸めます(アンバリー)。温度や肌質で一瞬スパイス様・ハーバル寄りに感じる場合も(スパイシー)。

持続時間

オードパルファム

  • 香料の濃度・・・約8~15%
  • 持続時間・・・約5~6時間
※ 一般的な濃度でのカテゴライズによる推測です。

サンタル ブランの香りが似合うイメージ・人物

サンタル ブランをつけている人のイメージ

朝のアトリエで石膏を削る造形作家

  • 30代後半・性別不問。朝のアトリエで石膏を削り、粉雪のような粉を払ってから模型に触れる。
  • ワードローブは生成りとライトグレー。手は常に清潔で、香りは近接だけに留める。
  • 甘さよりも“なめらかな質感”と静けさを重視。

リネンを整えるホテルのハウスキーピング・マネージャー

  • 30代後半の女性。温湿度と光の角度で布の表情を管理、客室は無香に近い清潔感が基準。
  • 私的には“白い香り”を極小量だけ。袖口内側にワンスプレー。
  • 重い甘さや濃いグリーンは避ける。

乳白釉にこだわるセラミスト

  • 30代半ば・性別不問。釉薬の濃度を数値で管理し、マット〜セミグロスの“白”を作る。
  • 服はベージュとサンド。香りは作品の手触りを壊さない“無音の質感”。
  • 食香は避けるが、温度のある甘さは許容。

“白背景”を極めたプロダクト・フォトグラファー

  • 30代前半の男性。ディフューズ光で埃を排し、陰影は最小限。
  • スタジオでは香りの投影を絞り、私物は緻密でクリーン。
  • 余白と輪郭で魅せるのが得意。

“音の余白”を操るアンビエント作曲家

  • 30代後半・性別不問。深夜のスタジオで微かなノイズとループを重ねる。
  • スピーカーの前では重香を避け、肌に沿う香りだけにする。
  • 感情表現は穏やかで、温度差でニュアンスを出すタイプ。