フレデリック マルローズ トネール

人気の香りを分析するInstagram(@semiperfumer)も始めました
深みと力強さを併せ持つ「漆黒の薔薇」を表現した「ローズ トネール(意味は薔薇の雷鳴)」は、エドゥアール・フレシェが手掛けた作品です。2022年に「ユヌ ローズ」からリニューアルしました。ワインの澱やハチミツ、トリュフなどの複雑なレシピが、単なる可憐なローズではなく、わずかに土の奥から引き抜いたばかりの根付きの薔薇を彷彿とさせるアーシーな要素と、甘酸っぱさも生み出し、リアルな薔薇園を思わせます。
実際の口コミでは「ワインのような酸味を帯びたローズ」「雨や曇りの日に特に映える薔薇」「土っぽい中に色気を感じる」などの声が多く、甘美でありながらもゴシックな魅力を放つ“闇の薔薇”として人気を集めています。
香りの構成
- トップノート
- ローズ、ハチミツ、ワインレーズ(ワイン発酵物)、ラズベリー、ピンクペッパー、コリアンダー、ジュニパー:香り立ちは、甘酸っぱく発酵感を帯びた“赤ワイン”に通じる濃密なローズ。鼻をくすぐるスパイスやベリー系の印象もあり、一部では「アルコールを思わせる妖艶さを感じる」との声があります。
- ミドルノート
- トルコ産ローズ、ゼラニウム、トリュフ、スミレ、サフラン、オリス:ローズを中心に、トリュフやサフランの土っぽさとスパイス感が重なり合い、漆黒の陰影をもった官能性へと変化。口コミでは「雨後の薔薇畑を思わせる」「きのこっぽい奥行きを含むローズ」と表現されることが多いです。
- ラストノート
- ムスク、パチュリ、ベチバー、カストリウム、モス、シダー、サンダルウッド、バニラ:底に潜むムスクやカストリウムがアニマリックなぬくもりを与え、パチュリやモスがしっとりとした地面の印象を強調。わずかなバニラがほのかに甘さを残し、最終的に「レザーを思わせるような粉っぽさ」「妖艶な余韻」が長く続きます。
おすすめの季節と時間帯
春 夏 秋 冬
日中 夜
男性向け、女性向け
男性 女性
甘さと薔薇の濃厚さから女性的な印象を受ける人も多い一方で、アーシーでアニマリックなタッチやほのかな渋みを好む男性にも支持されています。実際、男性がつけても「ゴシックな色気がある」と評されることがあり、性別を問わず“本格的な深いローズ”を楽しみたい方に向いている香りです。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- ウッディ系・・・ウッド
- フローラル系・・・フローラル
ローズをメインにしながらも、土っぽいウッディやアニマリックな要素が複雑に絡み合う構成。強い存在感がありながらも、一輪の生々しい薔薇らしさを損なわない点が魅力とされています。
補足分類(18の属性からの分類)
- オリエンタル
- グリーン
- フルーティ
- フローラル
- ムスキー
ラズベリーやハチミツがもたらす甘くフルーティな面(フルーティ、フローラル)と、トリュフやモスなどが演出するアーシーで湿ったニュアンス(グリーン)、さらにカストリウム由来の動物的な官能性(ムスキー)が合わさり、ややオリエンタルな深みを備えて、リアルな薔薇園っぽいローズを構築しています。
持続時間
オードパルファム
- 香料の濃度・・・約8~15%
- 持続時間・・・約5~6時間
ローズ トネールの香りが似合うイメージ・人物

ゴシックな闇を宿す「ミステリアスな薔薇愛好家」
- 20~40代男女問わず。黒や深いワインレッドのファッションを好み、どこか夜の街に溶け込むような雰囲気を漂わせる。
- 花屋で真紅のバラを見ると、つい一輪買いしては部屋に飾る。部屋は落ち着いた暗色のインテリアで統一している。
- 香水には“ただ可憐なローズ”より、土や獣っぽさを含むダークな個性を求める。
雨の薔薇園を散策する「メランコリックな芸術家」
- 30代前後。創作活動をしており、曇天や雨の日にふとインスピレーションを得ることが多い。
- 手帳とペンを持ち歩き、空き時間に詩やスケッチをしたためる。
- 自然の中でも少し“湿った空気”や“強い花の香り”を好み、“人とは違うユニークな視点”で薔薇に惹かれる。
禁断のロマンスに浸る「危険な夜の貴族」
- 40代男女問わず。クラシカルな館に住み、アンティークの家具や美術品を好む。
- 夜になると客人を招き、赤ワインを片手に文学や音楽について熱く語る。
- 上品さを保ちつつ、どこか近寄りがたい闇の雰囲気を纏い、“秘密を隠す伯爵/伯爵夫人”のような存在感を放つ。
ヴィンテージ音楽を愛する「レコードバーのオーナー」
- 30~40代。街角の小さなレコードバーを営み、ハードロックからクラシックまで幅広く扱うこだわり派。
- カウンター越しに訪問者と音楽談義をする際、少しスモーキーな空気感を演出しつつ“熱”も感じる薔薇を香らせたい。
- 夜のバーでも甘ったるすぎず、しかし強い個性の香りを求める。
廃墟でファッション撮影をする「モード系フォトグラファー」
- 20~30代男女問わず。アバンギャルドなファッションを試し、都心の廃墟や使われなくなった劇場など“ゴシック・廃美”なロケ地を好む。
- モデルが着るドレスは真紅やディープパープルなどダークカラーが多く、写真全体に強いコンセプトを与えたい。
- “甘ったるいだけの薔薇”を嫌い、“土や古い木材の香り”に混ざっても負けない強い個性を持つ香りを探している。
リアルな薔薇園のイメージから、やや涼しい〜肌寒い季節、特に雨や曇りの日の空気の湿り気と相性が良いとの意見が多く見られます。日中に使用する場合は1プッシュほどで、夜やドレスアップしたいシーンであればやや大胆につけると、その濃厚さが際立ち、ゴージャスかつダークな雰囲気を引き立てます。ただし、食事や狭い空間では控えめにつけるのが無難です。