イソップローズ

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2020年にイソップが発表した「ローズ」は、建築家・デザイナーのシャルロット・ペリアンに着想を得たフレグランスです。調香師バーナベ・フィリオン氏が手がけており、“ローズ”を中心に据えながらも、シソやガイアックウッド、パチュリなどの個性的な素材を組み合わせています。その結果、甘さが前面に出た一般的なローズとは異なる、青みや木の香りが際立つユニセックスな“モダンローズ”へと仕上がっています。
青々しくハーバルなニュアンスや、お香を思わせるスモーキーさ、さらにわずかな酸味や渋みが重なり合い、“深み”と“奥行き”を感じさせる点が特徴です。一部の方からは「バラというよりもウッディ要素が印象的」「シソの爽快さが強い」といった声も聞かれ、なかには「森のお寺や香木のようなスピリチュアルさを感じる」という意見もあります。ローズの持つ華やかさにこだわらず、落ち着きと独特の緑っぽさが共存する香りをお探しの方におすすめです。
香りの構成
- トップノート
- ローズ、シソ、ピンクペッパー、ビターオレンジ、ベルガモット:ローズがメインに香りつつ、シソとピンクペッパーの持つハーバル&スパイシーなアコードが加わり、甘いバラとはひと味違うシャープで瑞々しい印象を演出します。なかには「付けた瞬間はやや刺激的で強い」と感じる方もいるようですが、シソの青みやベルガモットの爽やかさが好き、という声もあります。
- ミドルノート
- ローズ、ガイアックウッド、ジャスミン、イランイラン:トップに続いてローズが要となりながら、ガイアックウッド由来のわずかな燻香が重なり、フローラルとウッディが複雑に溶け合います。ジャスミンやイランイランがさりげない甘さをもたらし、「まろやかに落ち着いてきた」という意見や「寺院を思わせる瞑想的な雰囲気」という感想も見られます。
- ベースノート
- サンダルウッド、ベチバー、パチュリ、ミルラ、ムスク:最後には深みのあるベチバーとパチュリ、それにミルラのほろ苦いスモーキーさが重厚感を与えます。ローズはやや控えめになりますが、ウッディでアロマティックなニュアンスが長く余韻を残す構成です。ムスクが加わることで軽いパウダリー感や静けさが漂い、「静かで禅(zen)のような印象」と語る方もいます。
おすすめの季節と時間帯
春 夏 秋 冬
日中 夜
男性向け、女性向け
男性 女性
甘さを抑え、シソやウッディを前面に感じるバラなので、男女とも違和感なく使える。一般的には「ローズ=女性的」と考えられがちだが、この香りは甘さを控えめにしたスモーキー感とハーブの苦味がポイントとなっており、「むしろ男性がつけやすい」という声もある。もちろん、青みローズが好みの女性にも評価が高く、“性別を越えたモダンローズ”と評される。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- フレッシュ系・・・アロマティック、グリーン
- ウッディ系・・・ウッド
- フローラル系・・・フローラル
ベースにガイアックウッドやサンダルウッド、パチュリといったウッディ要素が強く、シソやベチバーによる青い苦みや土っぽさを含む。ローズ、ジャスミン、イランイランなど花の要素をしっかり取り込みつつ、全体はクールなハーバルローズの方向へとまとめられている。
補足分類(18の属性からの分類)
- アロマティック
- ウッディ
- グリーン
- フローラル
- ムスキー
トップ~ミドルにかけてハーバルかつ少しスパイシーな青み(アロマティック、グリーン)が際立ち、ガイアックウッドやパチュリなどの“燃えた木”や“土”を思わせる雰囲気(ウッディ)が基調を支える。ローズを中心に花々が調和(フローラル)し、ベースのムスクが柔らかく肌に溶け込み、ややパウダリー感を添える(ムスキー)。
持続時間
オードパルファム
- 香料の濃度・・・約8~15%
- 持続時間・・・約5~6時間
ローズの香りが似合うイメージ・人物

オフィスの昼休みに植物の世話をする「グリーン好きOL」
- 20~30代女性。デスクで小さな観葉植物を育て、昼休みには水やりや葉のケアを楽しむ。
- シンプルなナチュラル服装ながら、アースカラーやリネン素材など“植物と相性良い”ファッションが基本。
- フローラル系に惹かれつつ甘い香りは苦手で、「青みがあってウッディなバラなんてないのかな」と探し回るタイプ。
夕方に美術館を巡る「デザイン系フリーランサー」
- 30代男女問わず。昼はPC作業に没頭し、夜は空いた時間にアートギャラリーや美術館へ足を運んで作品を鑑賞する。
- 「ローズ=女性的」という固定観念を破り、“ハーブ&ウッディが効いたクールなローズ”を探している。
- スマートカジュアルなモノトーンでまとめ、そこに植物や自然を感じさせる香りを一滴加えたい。
夜の路地裏で小さなバーを営む「静かなバーテンダー」
- 30~40代男性。人通りの少ない街角で、小さな隠れ家バーを一人で切り盛りする寡黙なバーテンダー。
- 店内にハーブや生花を飾り、会話よりも“空間の雰囲気”を大切にする。
- 香りは“落ち着いたお香っぽさ”と“自然な花の渋み”が好みで、甘ったるいものは避けたい。
森林ヨガリトリートを好む「ウッディフローラル愛好家」
- 20~30代女性。週末は森の中にあるヨガリトリート施設で身体を整え、自然と一体化する体験を求めている。
- フローラルも好きだが、森や大地の落ち着きを感じさせる香りにこそ強く惹かれる。
- 「バラっぽさ」は嫌いではないが、甘いだけのローズには抵抗があり、“緑やウッドを感じる薔薇”なら試してみたいと思っている。
春先の軽装に合わせる「ファッション感度の高い学生」
- 20代前半、男女問わず。春から初夏に向けてライトなコーデを楽しみ、裏路地のセレクトショップや古着屋を巡る。
- 「ローズ=大人っぽい、甘い」というイメージを持ちながらも、ちょっと個性的な“草っぽい”バラがあれば気になると思っている。
- カジュアルでもフレッシュすぎない存在感を持つ香りが理想。
店先で花束を売る「小さなフラワースタンドのオーナー」
- 20~30代女性。ちいさな花屋スタンドを営み、簡単なハーブブーケや珍しいグリーンを扱う。
- 香水は一見“ローズ系”を使いたいけれど、店のハーブやグリーンとケンカしない“自然なバラ”を理想としている。
- 朝から夕方まで通りを見渡しながら花を活けて、通勤者や観光客の目を楽しませる。
瑞々しいグリーンなローズが春に映えるが、パチュリやミルラの深みは涼しい秋冬との相性も良い。暑い時期にはスモーキーさが強まりやすく、鼻に刺激を感じる場合もあるため、適度に量を調整するとよいと言われる。口コミには「日中でも邪魔せず落ち着く」「夜にまとうと奥行きがあって雰囲気が出る」との意見が多いが、過度なオーバースプレーは“強い香り”になりやすいため注意。