エルメス李氏の庭

「李氏の庭 (Le Jardin de Monsieur Li)」は、エルメスが誇る〈庭シリーズ〉の中でも、中国庭園に宿る静謐さと水辺の清涼感をテーマにしたオードトワレ。トップのキンカン(kumquat)がはじけるようなみずみずしい柑橘感を放ち、そこにジャスミンやグリーンノートが柔らかく溶け合うことで、まるで朝露に濡れた石畳と竹林のあいだから淡く光が差し込む“アジアン・ガーデン”を想起させます。全体のトーンは、ジャン=クロード・エレナらしい極限までそぎ落とされた透明感と軽快さ。暑い季節にシャワーを浴びた後のように清潔で涼しげ、そしてわずかに甘い優しさが漂うユニセックス香水として支持されています。
とはいえ、ジメジメと暑い夏にこそ真価を発揮し、あるいは初春の軽やかな空気とも美しく融合。風に乗せてふわりと香りを楽しむ──まるで自然がそっと隣を通り過ぎるような、“静かな芸術”を纏いたい方にぴったりの一作となっています。
香りの構成
- キンカン (kumquat)、ベルガモット、ミントのかすかな青さ:はじけるようなシトラスの刺激と、ときおり感じられるキンカン特有の甘酸っぱさが特徴的。さらにベルガモットの軽い苦みと、わずかなミントのクール感が重なり合い、一瞬でみずみずしい印象を作り出します。強烈な“酸っぱさ”というよりは、金柑の皮のような少し甘苦いニュアンスが活きており、「すぐ消えそうで実は残る」という声も一部で見られます。
- ジャスミン、グリーン樹液 (sap) など:柑橘の鋭さがやや落ち着き始めると、ジャスミンの柔和なフローラルがゆるやかに広がり、まるで透明な水面に花びらが漂うかのような穏やかな光景を描き出します。ここで感じるグリーン樹液のような“茎の青さ”が、自然の息づかいをさらに強調。水墨画を思わせる静かで涼やかな雰囲気を形成しつつ、一部の人にはわずかに“石けんを連想するほどの清潔感”として捉えられることもあります。
- ほんのり甘いムスク&微かな樹木調:水辺の風景をそのまま終わらせず、肌に溶け込むムスクの柔らかな甘みが残り、わずかに感じる樹木系のトーンが自然な奥行きを演出。ふわりと儚い“幽玄”さに、どこか安らぐような温もりが寄り添います。多くの人が「淡く消え入りそうでも、動きに合わせて幽霊のように立ち現れてくる」と評するこの“浮遊感”は、本作の大きな魅力といえます。
おすすめの季節と時間帯
春 夏 秋 冬
日中 夜
男性向け、女性向け
男性 女性
シトラスや爽快なグリーン感、そしてウォータリーなタッチが男女を問わず楽しめる一方で、ソフトなジャスミンのフローラル感を「少し女性的」と感じる向きもあります。ただし、多くのユーザーは「この程度の花の柔らかさであれば、ユニセックス感が勝る」と述べており、実際に男性使用者も少なくありません。さっぱりとしたアクアティックフローラルを好むなら、年齢や性別を問わず選択しやすい香りといえます。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- フレッシュ系・・・ウォーター / マリン、グリーン、シトラス
- フローラル系・・・フローラル
シトラス、キンカンや葉っぱ、樹液など青い香りがしっかりとある。涼しげな水辺のイメージと、淡いウォータリーノート。サンバックジャスミンなどが優しく花の彩りを添える。
補足分類(18の属性からの分類)
- グリーン
- シトラス
- フローラル
- マリン
トップのキンカンやベルガモット(シトラス)。水墨画のような淡い水生ノート(マリン)。柑橘皮やミント由来の青くクールな要素(グリーン)。主張しすぎないジャスミンが柔らかく香る(フローラル)。
持続時間
オードトワレ
- 香料の濃度・・・約5~8%
- 持続時間・・・約3~4時間
「もう少し強さや持続力がほしい」という声もあり、香り自体は控えめなので物足りないと感じる人もいます。一方で「香りが薄くなっても、動くたびにふわりと立ち上がる」と評価する意見もあるため、外出先で適宜付け足して楽しむのがおすすめです。
李氏の庭の香りが似合うイメージ・人物

水墨画のモチーフを探す「書道家の旅人」
- 30代男性。中国の奥地を旅しながら、書と水墨画を学び、“余白の美”を追究する。
- シンプルなスタイルで、筆や紙をリュックに忍ばせ、気の向くまま山水をめぐる。
- 香水は清涼感があって邪魔しないものが好み。李氏の庭を“無為自然”のイメージに近いと感じ、愛用。
湖畔のティーハウスで働く「茶芸師」
- 40代女性。湖畔に佇む中国式のティーハウスを営み、緑茶や花茶を振る舞う。
- 客に穏やかな時間を提供するのが喜びで、店の周囲に小さな庭園を整備している。
- 李氏の庭の“しとやかな水の気配”が店の雰囲気にマッチするので、接客の際に一吹き。
現代庭園を設計する「ランドスケープアーキテクト」
- 30代男女問わず。都市の空間に日本庭園や中国庭園の美学を取り入れる設計を得意とする。
- 大胆かつ静かな設計スタイルで、ビルの合間に“鏡池”や“竹の小道”を配す発想が顧客から高く評価。
- 李氏の庭の“静やかに湧く水”と“青さ”が、デザインのイメージを膨らませるアイデア源になる。
森林浴を好む「週末リトリート愛好家」
- 30代男性。平日は都心のIT企業に勤め、週末は人里離れた山や湖に出かけてリラックス。
- 自然の中でヨガや瞑想、散歩をするのが習慣で、自身の緊張をほぐす時間を大切にする。
- 李氏の庭は“森や湖の空気を感じるウォータリーな清々しさ”があり、運動後のシャワー後に使いたい香り。
都会のガーデニング部が趣味の「アパート暮らし大学生」
- 20代前半。狭いベランダで小さなプランターを並べ、ハーブやミニトマトを育てるのが日課。
- 部屋も物が少なく、ナチュラルインテリアを好む。
- 李氏の庭の“透明感”と“爽やかなフローラル”が自分のシンプルライフにぴったり。
静かな湖の「スパリゾート」でセラピストを務める女性
- 30代。身体と心の疲れを癒やすマッサージやアロマテラピーを担当。
- カウンセリングも軽く行うため、お客様が安らげる空間づくりを意識。
- 李氏の庭の静かで水辺を連想する香りが、スパ内の空気とも溶け込み、好評を博している。
朝活で筆文字アートを描く「カフェバイトの若者」
- 20代。昼はカフェ勤務、朝の早い時間に気分転換で筆文字アートを創作しSNSに投稿。
- いつか自分の作品で小さな個展を開くのが夢。
- 李氏の庭は筆を走らせる前にさっと一振りする習慣で、“真っ白な紙に水の流れを感じる”集中力を高めてくれる。
柑橘を基調とした清涼感と水辺のような透明感が、特に蒸し暑い季節によく合います。口コミには「猛暑の中でも心地よく使える」「外で風を受けるとふわりと香りが立つ」という意見も多く、春~真夏を中心に重宝されがちです。軽やかで邪魔にならないため、朝から日中にかけての使用が理想的。仕事や学校、ちょっとした外出にも馴染み、必要に応じて付け直すと最後まで心地よさが続きます。