エルメスナイルの庭

ナイルの庭
ブランド エルメス
分類ウォーター / マリングリーンシトラス
季節日中
調香師 ジャン=クロード・エレナ
原産国 フランス
詳細 公式サイト

「ナイルの庭 (Un Jardin sur le Nil)」は、エルメスの〈庭シリーズ〉第二弾としてエジプトのナイル川流域に広がる水辺や島々を着想源としたオードトワレです。冒頭に香り立つグレープフルーツやグリーンマンゴーによって、まるで朝日に照らされて青々しく熟していく果実が浮かぶような、瑞々しい酸味と軽快さに満ちたスタートを切ります。ここにトマトやキャロットの“青く土っぽい”ベジタル感が織り込み、さらに蓮やアシ(水辺の植物)、ピオニー、ヒヤシンスといったフローラル&ウォーターリリー系の柔らかな香りが水辺の爽やかさを演出。最後は柔らかなムスクや控えめな樹脂系スパイス(シナモン、インセンス)が奥行きを添えつつも、全体を通して透き通るような軽やかさを保ちます。

グレープフルーツの爽快感と野菜的な青さが合わさるため、一部では「石鹸のように洗練されている」「まるで水辺で朝露を含んだ草葉に包まれるようだ」という印象も多く聞かれます。その反面、トマトリーフやグリーンマンゴーの組み合わせがやや独特なため、「慣れるまでは野菜的な青さを強く感じ、ややクセを帯びる」「涼しげではあるが、肌質によってはわずかに酸味が尖って出る」というケースもみられます。総じて強い甘みがなくシャープな青さと水の透明感が際立つため、暑い季節のリフレッシュや外出前のひと吹きに適したフレグランスで、真夏の潮風やリゾートの雰囲気とも相性が良いとされています。

香りの構成

  • トップノート
    • グレープフルーツ、グリーンマンゴー、トマト、キャロット:青々しく甘酸っぱい果実感の一方で、トマトやキャロットによるわずかな土臭さを帯びたベジタブル感が際立ちます。ここで「爽快なのにわずかにほろ苦い」「果物と野菜の融合がユニーク」と感じる声が多いです。
  • ミドルノート
    • ロータス (蓮)、バルラッシュ(アシ)、オレンジ、ヒヤシンス、ピオニー:水辺を想起させる柔和なフローラルとアクアティックノートが主体。シトラスや青いマンゴーの名残と重なり、石鹸やハーバルを連想する清潔さを纏います。この段階で「くどさのない上品な香り」「夏の日差しの下、花と水の狭間でゆったりするイメージ」を抱く傾向がうかがえます。
  • ベースノート
    • ムスク、アイリス、インセンス、ラブダナム、シナモン:フレッシュな余韻を保ちながら、スパイスや樹脂がごくうっすらと残り、軽くパウダリーなニュアンスへ移行。特にムスクとアイリスが肌に溶け込むことで、時間とともにややソープライクな印象を際立たせる場合も。「透明感を保ちつつほのかな甘みが香る」「水っぽさとわずかなスパイシーさが絶妙」と捉えられますが、環境や体温によっては香りが一瞬で消えるように感じる人もいるため、つけ直しやオーバースプレーの工夫が好まれるフレグランスです。

おすすめの季節と時間帯

日中

青々しい果実感とウォータリーな透明感が、気温の上がる季節にぴったり。蒸し暑い昼間でも清涼感が保たれ、休日やリゾートシーンに合わせるとリラックスを演出しやすくなります。夜につけてもさほど重くはなりませんが、特に晴天の昼下がりのイメージが強いフレグランスです。

男性向け、女性向け

男性
女性

トマトリーフやハーバルな青さから、男女問わず使用可能な“ユニセックスなグリーン系”として成立。甘さが苦手な方にも取り入れやすく、オフィスでも使いやすい軽さを備えています。フルーティやフローラルの要素が苦手にならない程度に抑えられ、透明感や石鹸感が好まれる傾向。フローラル好きにも洗練された青さが新鮮に映り、軽快かつ上品な夏の香りとして選ぶ人が多く見られます。

属性

フレグランスホイールとは?

分類

  • フレッシュ系・・・ウォーター / マリン、グリーン、シトラス
アクアティックな水辺の雰囲気に、青いマンゴーやトマトリーフなど独特なベジタル感が加わる。 グレープフルーツやオレンジ系の鮮やかなシトラスが全体を爽快に彩り、甘みを抑えた果実感と花の優しさを繋ぐ構造。

補足分類(18の属性からの分類)

  • アロマティック
  • グリーン
  • シトラス
  • フルーティ
  • マリン
“庭”シリーズ特有のハーバルな青さ(グリーン)と、蓮やアシによる水辺の清らかさ(マリン)。そこにグレープフルーツやマンゴーが酸味と甘みをわずかに与え(フルーティ、シトラス)、肌にムスクが溶け込むことで軽くアロマティックな雰囲気を残します。

持続時間

オードトワレ

  • 香料の濃度・・・約5~8%
  • 持続時間・・・約3~4時間
※ 一般的な濃度でのカテゴライズによる推測です。

ナイルの庭の香りが似合うイメージ・人物

ナイルの庭をつけている人のイメージ

ナイル川クルーズ船で働く「水先案内人」

  • 40代前半。ナイル川を巡るリバークルーズの船上スタッフで、外国人観光客に現地の自然や歴史を解説する。
  • 昼間は半袖の爽やかな制服、夕方にはリゾートシャツに着替え、訪れるゲストと気さくに会話。
  • 「ナイルの庭」の“水辺と青果実”の香りが、故郷の川の景観を思い起こさせると愛用している。

都会の屋上菜園を楽しむ「ベジタブル栽培男子」

  • 30代。ビルの屋上を借りてトマトやハーブなどを育てながら“都会のオアシス”を実現するのが趣味。
  • 「自然との触れ合いが心を豊かにする」と信じ、会社帰りに水やりや収穫を楽しんでいる。
  • ナイルの庭は“青野菜”っぽいニュアンスと洗練された柑橘が重なり、日々のライフスタイルにマッチ。

アートギャラリーで作品を制作する「現代アーティスト」

  • 30代。アクリル画やミクストメディアを通じ、自然と都会の境界をテーマに作品を作る。
  • 緑や水をイメージした作品に魅せられ、湿地や湖などのフィールドワークでインスピレーションを得ることも多い。
  • ナイルの庭の青い野菜感や透明な水辺感が、作家としてのヴィジョンとシンクロすると愛用している。

朝ヨガを楽しむ「ヘルシー志向の女性」

  • 20代後半~30代。平日は仕事をこなしつつ、週末の朝に公園やスタジオでヨガを習慣化。
  • “身体を浄化する”感覚を大事にしていて、香水も軽やかかつ爽やかなものを好む。
  • ナイルの庭は朝の深呼吸をするような青いリーフ感が調和して、自分を自然にリセットしてくれる。

大学の「植物学研究室」に勤める大学院生

  • 20代前半~中盤。温室や研究室で“水生植物や野菜”の成長を観察し、レポート作成の日々。
  • 少し地味な服装だが、自然好きな性格が表に出るようなフレグランスをさりげなく纏いたいと考えている。
  • ナイルの庭を初めて嗅いで「自分の実験している水生植物と同じような匂いがする」と虜になった。

「水墨画アトリエ」で修行中の女性弟子

  • 20代。和紙や墨の香りに親しんだ環境で日々墨絵を学び、清らかな線と空間表現を模索中。
  • 服装は極力シンプルに、アクセサリーも最小限。香りも軽めで邪魔にならないものを求める。
  • ナイルの庭の“穏やかな水辺の緑”が、自分の描く世界観(静謐さや余白)と重なると感じ、愛用。

「ランドスケープデザイナー」の女性

  • 40代。公園や庭園の設計を手掛ける専門家で、植物配置や水辺の導線、季節の変化を考慮したプランニングが得意。
  • 現場を回りながらクライアントと打ち合わせを行い、“人と自然の調和”を大切にする姿勢を崩さない。
  • ナイルの庭にある“青い野菜感+水風景”が、自分のランドスケープのコンセプトに合致すると感じ、愛用。