ゲランネロリ ウートルノワ

ブランド / コレクション | ゲラン / ラール エ ラ マティエール(GUERLAIN) |
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分類 | アロマティックシトラス |
季節 | 春夏日中 |
発売年月日 | 2016 |
調香師 | デルフィーヌ・ジェルク / ティエリー・ワッサー |
原産国 | フランス |
詳細 | 公式サイト |
「Néroli Outrenoir(ネロリ ウートルノワ)」は、ゲランが掲げる「黒を超えた黒」という幻想的なテーマを、白い輝きを宿すネロリ(ビターオレンジの花)を軸に描き出したオードパルファンです。一見すると“深みのあるダークなイメージ”を想起させながらも、実際には爽やかなシトラスとスモーキーな茶葉の香りが織り成す、洗練された二面性をもつ作品として仕上がっています。

トップには複数の柑橘(ベルガモット、タンジェリン、レモン、グレープフルーツ)やプチグレイン由来の緑の枝葉感が広がり、同時にネロリ特有のふくよかで甘酸っぱい白花のニュアンスが混ざり合うため、“まるで高級ホテルのティーラウンジを思わせる”という声も少なくありません。そこにややスモーキーで渋みのあるティーノートが奥行きを与え、蜜のような甘さになりすぎず軽い苦味をキープ。後半にかけてはバニラやミルラ、ベンゾインといった樹脂由来のあたたかい甘みがわずかに現れ、じんわりと深みをまといつつも、決して重苦しくならないバランスが保たれています。
いわゆるグリーンティー系や軽快な柑橘香水に比べると、スモーク感やネロリの青みが「草っぽい」「やや苦い」と感じる方もいる一方、「気持ちが落ち着く」「高級スパや静かな森林でリラックスするような感覚」と好印象を抱く方も多いのが特徴です。名に含まれる“黒”に反して爽やかな側面が際立つため、暑い季節にもくどくならず、“柑橘やネロリを清々しく楽しむのに、スモーキーな奥行きが加わる絶妙な香り”、“複雑さと肌馴染みの良さを兼ね備えた逸品”として高い評価を集めるフレグランスです。
香りの構成
- トップノート
- プチグレイン、ベルガモット、タンジェリン、レモン、グレープフルーツ:はじめは生き生きとしたシトラスのスプラッシュとプチグレインの青々しさが弾けるように立ち上がり、ネロリの甘やかさを下支えします。紅茶にレモンを浮かべたような爽快さと微かな甘みが同時に感じられることも。
- ミドルノート
- ティー、ネロリ、オレンジブロッサム、スモーク、アーシーノート:ネロリと茶葉が響き合い、渋みやわずかな燻香が加わる段階。濃く煮出した紅茶を連想する深みがある一方で、オレンジブロッサムの可憐さがふわりと溶け込み、全体を明るく保っています。軽い苦味を「和のほうじ茶」や「上質な緑茶」に例える声もあり、お茶の香りが強まるか、ネロリが強まるかは肌質や気温で大きく変化するのも面白いポイントです。
- ベースノート
- オークモス、ミルラ、バニラ、ベンゾイン、アンブレット(ムスクマロー):樹脂系がもたらすやわらかな甘みと少しのムスク感が重なり、余韻へと移行します。多くの場合、ここでややバニラの香ばしさが顔を出し、先ほどまでのスモーキーな茶葉と相まって「甘やかなミルクティーのよう」「柔らかくとろみのある香り」という印象を与えることも。
おすすめの季節と時間帯
男性向け、女性向け
ネロリやオレンジブロッサムの繊細なフローラルが際立つと可憐な雰囲気になりやすく、軽やかな甘さを好む女性から高く支持されています。同時に、渋みとスモークが感じられるティーノートや樹脂の深みはユニセックスな落ち着きを演出するため、甘さが苦手な男性にも好まれています。全体としては「男女問わず、気高く洗練された印象を纏える」フレグランスであり、肌質や付け方によってネロリか紅茶、どちらが主役になるか大きく変わる点も面白さの一つです。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- フレッシュ系・・・アロマティック、シトラス
補足分類(18の属性からの分類)
- アロマティック
- アンバリー
- グリーン
- シトラス
- フローラル
持続時間
オードパルファム
- 香料の濃度・・・約8~15%
- 持続時間・・・約5~6時間
ネロリ ウートルノワの香りが似合うイメージ・人物

涼やかなティーラウンジを愛する「都会のミニマリスト」
- 20~30代男女問わず。少ない持ち物で生活し、仕事後はシンプルかつ洗練されたティーカフェで過ごす。
- 休日にホワイトやベージュなどの淡いトーンの服装を好み、“清潔感”をキーワードにしている。
- 香りも“軽やかで品のある柑橘やお茶感”を求め、甘すぎず奥行きのあるものを選びたい。
夏の夕方に散策を楽しむ「知的派トラベラー」
- 30代前後。休日は小旅行に出かけ、現地の歴史や建築を調べながら街をゆっくり散策する。
- シンプルなコットン素材のシャツ&パンツを着こなし、旅先で優雅にティーブレイクを取るのが好き。
- 柑橘ベースでも深みのある香水を好み、暑い時期でも“くどくならない奥行き”を求める。
書斎で紅茶を嗜む「アート思考のリサーチャー」
- 20~40代男女。自宅の書斎を持ち、趣味や研究の資料を並べて紅茶を片手にじっくり読書をする。
- パソコンに向かいながらも、机上には茶器や小さなデコレーションが置かれ“アート感度”が高い。
- 香りは“知的で華やかすぎない”ものを好み、スモーキーなお茶ややわらかな甘みに安心を求める。
洗練されたレストランで働く「スマートなソムリエ/バリスタ」
- 20~30代男女。落ち着いた雰囲気のレストランやカフェで、お客に高品質な飲み物を提供するプロ。
- スーツやエプロンを端正に着こなし、店内でも“さりげない清潔感”と“プロらしい雰囲気”を常にキープ。
- 香りは“食事やドリンクの邪魔をしない”が、“自分の個性を少しだけ表現したい”というバランスを重視。
南仏の海辺で朝を迎える「リゾート系クリエイティブディレクター」
- 30代男女問わず。都会ではデザインやディレクションの仕事をこなし、長期休暇に海辺のヴィラへ滞在する。
- 波の音とともに朝の散歩を日課にし、ビーチ沿いのカフェでスパイス入りの紅茶を飲みながらプランを練る。
- 香り選びも“地中海の柑橘や緑”を思わせる明るさと、“どこかミステリアス”な要素を両立させたい。
比較的春夏の日中が使いやすいとされる一方、秋口の涼しい夕方にもその「すっきりした中にある複雑さ」が好相性。強い甘さや暑苦しさを感じにくい香り構成のため、気温が高い日でもくどくならず心地よく纏える傾向があります。ティーの苦味や樹脂系の甘さが相まって落ち着いた雰囲気を醸すので、オフィスでもプライベートでも比較的場面を選ばずに使うことが可能。