ディプティックオルフェオン

「Orphéon(オルフェオン)」は、1960年代パリのサンジェルマン地区にあったジャズクラブやバーの空気を思い起こさせる、“ウッディアンバー”系のフレグランス。ジュニパーベリーがもたらす清々しいスパイス感とシダーウッドの深みを軸に、トンカビーンズ由来の優しい甘さとパウダリーな温かみを加え、ジャスミンの控えめな花の香りが上品さをひそかに添えています。結果として“古い木造のインテリアにおしろいの残り香とタバコの煙が漂う”ようなクラシックな雰囲気と、“上質なアロマ”特有の清潔感が同居した香りに仕上がっているのが特徴です。
煙やパウダーによるレトロ感を感じる人もいれば、高級ホテルの石鹸のような清潔さを挙げる声もあり、「まるで大人の夜を感じさせるダンディな趣」と捉えるか、「柔軟剤のような包み込む香り」と捉えるかで印象が変化する個性的なフレグランスです。
香りの構成
- トップノート
- ジュニパーベリー(Juniper Berry):“ジン”の香り付けにも使われる針葉樹系の実で、爽やかなスパイス感とわずかな青みが特徴。香り立ちに透明感をもたらし、ウッディやパウダリーへの移行を軽快に導きます。
- ミドルノート
- ジャスミン(Jasmine):白い花の甘さと、ほんのり青さを含むフローラル。グッと渋みを帯びたウッディ・パウダーに、花の華やかさと上品さを添える存在。あくまで控えめながら、香り全体を柔らかく奥行きのあるものへとつなげます。
- ラストノート
- シダー(Cedar):乾いた木材のようなシャープさをもつウッディノート。タバコや古木材を連想させる渋みをほどよく帯びており、クラシカルな落ち着きを演出。
- トンカビーンズ(Tonka Bean):アーモンドやバニラに近い甘さと、少しほろ苦いスパイシーさを含む香料。パウダリーなニュアンスが強く、“おしろい”のような柔らかい肌感覚を生み出し、シダーと混ざり合うことで洗練された甘みを仕上げます。
ジュニパーベリー→ジャスミン→シダー&トンカビーンズの流れで、最初はややスパイシーかつ透明感のある導入があり、後半にかけてバーの煙やパウダリーなおしろいをイメージする深みへと変化します。ただしこの移り変わり方は肌質や体温、体調によっても変わるため、なかには「トップのウッディ感が強めに出て男性的」と感じる場合や、「まるで高級石鹸のような白さを帯びた香りが続く」と感じる場合もあります。
※「トップ」「ミドル」「ラスト」の公式な発表はないので一般的な香料の揮発特性から推測しています。
おすすめの季節と時間帯
男性向け、女性向け
ジュニパーベリーやシダーによるドライウッドなニュアンスはメンズ香水的と感じる人もいれば、トンカビーンズの柔らかい甘みやパウダー感が「どちらかというと女性的」という印象を受ける方もいます。つまり、非常にユニセックスなフレグランス。実際、口コミでも「男性にぜひ使ってほしい」「女性が纏うと色香が漂う」といった声が混在しており、人それぞれの肌に溶け込んで多様な魅力を引き出してくれる香りだと言えます。
属性
フレグランスホイールとは?分類
- アンバー系・・・ウッディアンバー
- ウッディ系・・・ドライウッド
補足分類(18の属性からの分類)
- アロマティック
- アンバリー
- ウッディ
- パウダリー
持続時間
オードパルファム
- 香料の濃度・・・約8~15%
- 持続時間・・・約5~6時間
オルフェオンの香りが似合うイメージ・人物

60年代に憧れる「クラシック音楽バーのピアニスト」
- 40代の男性。昼間は音楽大学で講師をし、夜になると小さなクラシックバーで静かにピアノを弾く。
- 演奏の合間にワイングラスを傾け、バーカウンターで客との会話を楽しむ。
- スーツやジャケットはクラシカルなデザインを好み、時代を感じさせるレトロな小物を身に着ける。
夕暮れのカフェで執筆する「詩人」
- 30代女性。大きめのノートPCを持ち歩き、日暮れ時のカフェで詩や短編を綴るのが日課。
- モード系のファッションだが、どこかアンティークなブローチやタイピンをワンポイントに。
- 物静かながら、内面は情熱的。言葉を通じて“古き良き空気感”を伝えることに喜びを感じている。
レコードコレクションを愛する「ビンテージ好きDJ」
- 20代後半の男性。最新曲よりも60~70年代のソウルやジャズのレコードを掘り起こすのが趣味。
- 自宅はレコード棚に囲まれ、アンティークなインテリアを好む。
- イベントでもミキサーやターンテーブルを使い、独特のノスタルジックサウンドを演出する。
古い映画館で働く「フィルム技師」
- 30代女性。デジタル化が進む中、あえてフィルム映写機の魅力にこだわり、古い映画館を守り続ける。
- 昼は館内の清掃やポスター貼り替え、夜は映写室でフィルムをセットする日々。
- 暗がりで過ごす時間が長く、ポケットにはいつも小さな懐中電灯を携帯。
大都会の高層ビルで夜景を眺める「ファイナンス系エリート」
- 30代前半の男性。外資系金融会社に勤め、スーツに革靴、シンプルながら高級感ある装飾品が特徴。
- 海外出張や出先のバーで情報交換をするなど、スピード感のある生活を送る。
- 夜のオフィスで一息つく瞬間に、自分だけの香りでリセットすることが欠かせない。
夜のジャズライブを撮影する「フリーカメラマン」
- 40代の男女どちらでも可。ジャズクラブの一瞬の表情や照明、楽器の艶をカメラに収める。
- 黒っぽい服装で動き回りながら、店内の煙や客席のざわめきに溶け込むプロ。
- 撮影後はカウンターで一杯飲みながら写真を確認し、ミュージシャンとの会話を楽しむ。
地下アトリエで舞台衣装を制作する「コスチュームデザイナー」
- 20代後半~30代女性。劇団やショーダンサーの衣装を手掛け、夜な夜なミシンを踏む。
- スパンコールや羽根飾り、レザーやテキスタイルなど様々な素材を使い、舞台の世界観を創造。
- クリエイティブなエネルギーをかき立てるため、少し大人っぽい香りを身にまとう。
温かみあるパウダリー感やウッディの深みをもつため、秋冬の涼しい~寒い時期のほうが全体を堪能しやすい香りです。ムードや雰囲気を重視するイメージがあり、「夜にまといたくなる」という声も多いです。一方、「暑い季節でも周囲に香りが立ちすぎず心地よい」との評価もあり、少量を腰下につけるなど工夫すれば年間を通じて愛用できるタイプでもあります。